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着実にマーケット広げる「萌え」に注目!(2005/06/08 苗村 章夫=エイガアルライツ取締役プロデューサー)
今から2カ月程前株式市場で「萌え」がテーマとして取り上げられ、関連事業を展開する映像製作会社やゲーム会社、著作権管理会社、投資会社などの株価が大きく動きました。そのきっかけのひとつは浜銀総合研究所がリリースした「2003年のコンテンツ市場における萌え関連」についてのレポートと言われています。「萌え」というコアなマーケットについて銀行系のシンクタンクがレポートを発表したこと、また株式市場がそれに反応したことには大変驚かされました。 新たな段階に入った萌えビジネス「萌え」という言葉がライツビジネスに関わる用語として世間に知られるようになったのは90年代中頃ですが、元来はマンガやアニメそしてゲームに登場する美少女キャラクターへの愛情表現を表すマニア(オタク)用語でした。語源については「燃える」の誤変換であるという説や、人気アニメ美少女戦士セーラームーンSに登場する「土萌ほたる」に由来するなどの説がありますが、キャラクターに対し愛情が芽生え育って行く状態を表す言葉としてはまさにピッタリの表現ではないでしょうか。 ちなみに同意語に置き換えた場合、動詞であれば「〜が好みである」と表現するわけですが、語源や背景を考えるとやはり何か物足りない感じがしますね。 90年以降今日に至るま、で美少女キャラクターを主人公とした作品は数多く生み出されています。でも、やはり何といっても萌えブームを決定づけ、ビジネスとしても成功を収めた作品は「新世紀エヴァンゲリオン」であると言えるでしょう。このシリーズは95年〜96年にかけてテレビ東京系列で26話が放映され「エヴァ現象」といわれるブームを引き起こした作品です。各話には幸薄・勝ち気・奉仕・無機質などマニアが萌えるための要素を持った美少女キャラク ターが主人公として登場します。そして美少女以外にも難解な言葉やストーリーがマニアの好奇心を刺激するという、萌えビジネスで成功する要素をしっかり組み込んだ作品でした。 95年のエヴァンゲリオン以降萌えをテーマに数多くのマンガが出版され、またテレビアニメも多数放映されました。そしてその影響でマニアの総人口はエヴァ以前に比べて大きく増えることになりました。しかし結果として映像やキャラクター商品を含む萌え関連マーケット全体の売上高は増加したものの、マニアが1作品あたりに消費する金額が減少し、1作品あたりの関連商品の売り上げは減少してしまいました。さらにその後は作品のクオリティの問題などでマニアが「萌え」なくなり、99年には売り上げの伸びが頭打ちになってしまったのです。 [全文]
苗村 章夫
株式会社エイガアルライツ取締役プロデューサー。 1956年神奈川県生まれ。青山学院大学経済学部卒。80年サンリオ入社。百貨店・量販店などの一般流通営業に携った後、特販チームにてコンビニエンスストア向けオリジナル商品の企画・開発・販売を統括。96年以降は『スパイダーマン』『ピンクパンサー』などアメリカメジャースタジオ系の映画プロパティを利用した営業プロデュース及び著作権管理業務に携わる。2003年エイガアルライツ立ち上げに参画。現在は『コブラ』を始めとする漫画家寺沢武一の著作物を利用した出版や商品化、映像化などのプロデュースと著作権管理業務を手がけている。
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