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「今やJava開発環境はEclipseの一面にすぎない」――Eclipse Foundation Mike Milinkovich氏

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(2005/05/18 聞き手:高橋 信頼=IT Pro)

Mike Milinkovich氏 2005年4月,NTTコムウェア,富士通,日立製作所,NEC,日本アイ・ビー・エム,日立ソフトウェアエンジニアリングがオープンソース統合開発環境Eclipseの普及団体「Eclipse Japan Working Group」を設立した。これらの大企業が,Eclipseを社内標準ツールに仕立てていこうとしている。それがJapan Working Group発足の動機だ。設立セミナーのため来日したEclipse Foundationのトップ,Excutive Director Mike Milinkovich氏に,Japan Working Groupへの期待やEclipseの現状と開発方針について聞いた。

――Japan Working Groupが設立されました。

Japan Working Groupは最初の各国語に特化したワーキンググループです。様々な言語に対応したワーキンググループが今後作成され,各国の言語で使いやすい環境が構築されることを望んでいます。

日本ではすでにEclipseが広く使われています。Japan Working Groupに参加したのも大手企業です。今日皆さんのお話を聞き,Javaだけでなくモデリングなど,様々な用途に使いたいという声を聞きました。多くの日本の企業や開発者がEclipseに貢献しています。例えば,富士通がスポンサとなり,COBOLの開発環境を開発するプロジェクトが行なわれています。今後さらに多くの日本の企業がコントリビュートしてくださることを期待します。

――Eclipse Foundationが設立されて1年経過しました。

この1年間,Eclipseは驚異的な成長を遂げました。1年前,15程度のプロジェクトを束ねる3つのトップレベル・プロジェクトがありました。現在は46以上のプロジェクトを束ねる6つのトップレベル・プロジェクトがあり,さらに3つのトップレベルプロジェクトが提案されています。

会員企業の数も伸びました。1年前は48社でしたが,現在95社になりました。理事会に参加するストラテジック・パートナーは7社から,米BEA Systems,米Borland,米Computer Associatesなどが参加し13社になりました。もう誰にもIBM主導と言うことはできないでしょう。

EclipseはかつてJava開発環境でしたが,現在Eclipseはオープンソース・コミュニティです。Apache Foundationが,当初Webサーバーのプロジェクトとして知られていましたが,現在はオープンソース・コミュニティとして知られるようになったのと同じようなものです。

JavaはEclipseの最も大きな側面ではありますが,ひとつの側面にすぎません。組み込みシステムの開発者に聞けば,EclipseはC言語の開発環境だと言うでしょう。かつてEclpiseはJava開発ツールとして知られていましたが,現在はあらゆる言語向けのツールになっています。プロジェクトのうち約25%はJavaに特化していないものです。スクリプト言語のプロジェクト設立も進めており,まずPHPのプロジェクトが立ち上がる見込みです。

――組織的な大規模開発への適用が,日本の企業にとっての大きな要望となっています。

組織的な大規模開発への適用は,6月のリリースで取り組むべき重要項目です。「Enteprise Ready」が今年から来年にかけての重点テーマとなっています。

例えば1000人の開発者がいるような場合,各々が勝手にEclipseやプラグインをダウンロードすると大変なことになります。共通のアップデート・ポリシーを設定できるようにする機能などの,大規模プロジェクト向けの機能の開発に取り組んでいます。

――Eclipse Foundation設立の経緯は。

Eclipseは2001年,IBMのプロジェクトとして始まりました。IBMはEclipseをオープンソースとしてリリースすることを決定したとき,IBMはMicrosoftのVisual Stusioに匹敵するようなツールのエコシステムを作りたいと望んでいました。当初からIBMは様々な企業に支援してもらうことの重要性を認識していました。コンソーシアムは50社以上が参加し,Eclipseは大きな成功を納めました。

2003年の段階で,IBMはEclipseをさらに発展させるために独り立ちさせる必要があると感じ始めました。そこでHPやIntel,Ericssonなどと協力し,2004年1月,独立した非営利組織Eclipse Foundationとして生まれ変わりました。独立してから,Eclipseは飛躍的な成長を遂げました。

Eclipse Foundationには現在,7人の専従スタッフがいて,5人がカナダのオタワ,2人がアメリカにいます。

私自は6年前,IBMの子会社であるObject Technology Internationalで働いていました。Eclipseのコア・テクノロジを開発した会社です。99年に退社し,2003年にOracleの副社長を務めていましたが,Eclipse Foundationの責任者を募集していると聞き,応募してExcutive Directorに就任しました。

――ヨーロッパでの動きは。

非常に多くの動きがあります。独SAPはNetWeaver Developer Studio製品群をEclipseベースで開発しています。SAPの新しいバージョン向けに開発を行なっている人は,全員Eclipseを使っていることになります。そういったことからSAPはEclipse Foundationのボードメンバーになっています。

多くのプロジェクトでEclipseが使われています。特にドイツでは盛んです。ドイツでは,世界初のEclipse専門誌が創刊されました。

またEclipseにはModel Driven Developmet Projectというモデル駆動開発の研究プロジェクトがあるのですが,欧州委員会がこのModel Driven Developmet Projectに資金を出しています。Eclipseが興味を持たれた理由は,幅広いコミュニティの参加や業界での普及が評価の基準となっているためです。

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