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Q インターネットを利用した選挙運動の禁止はいつまで続く?

(2005/09/12 鼎 博之 弁護士)

第11問:公職選挙法では、インターネットのHP(ホームページ)を利用した選挙運動は禁止されているのですか。欧米ではあたり前のように実施されているBlog(ブログ)を使った選挙運動などはできないのでしょうか。

A:現状ではHPの新設・書き換えなどは違法だが、時代に合わず改正が急務に

郵政民営化法案の参議院での否決に端を発した衆議院解散により、真夏の選挙戦が繰り広げられた。8月30日、衆議院議員の総選挙が公示され、そして昨日9月11日が投票日となった。そして今回の選挙戦において、インターネットに関連した問題が突如浮上した。民主党は、8月30日の公示日に岡田克也代表の第一声の内容を党のHPに掲載したが、総務省が公職選挙法に違反する疑いがあると指摘したため、同日中にHPを削除した。

民主党は、本年4月の衆議院統一補欠選挙の時も選挙関係の記事をHPに掲載したが、このときには特段の指摘・指導はなかったと反論し、総務省に対し、公職選挙法の解釈を問う公開質問状を提出した。これに対し、9月2日、総務省は、選挙期間中のホームページの開設・書き換えは、公職選挙法に違反するとの解釈に変更はないとの見解をまとめて、民主党に文書で提示した。

選挙では葉書とビラ以外の文書図画を頒布することができない

問題になった公職選挙法の規定とは、第142条に記載されている選挙用文書に関する規定である。この内容を衆議院議員選挙に限定して要約すると次の通りとなる。

「選挙運動のために、次に規定する葉書とビラ以外の文書図画を頒布することができない。また、ビラについては散布してはならない」
  1. 小選挙区の選挙においては、候補者一人について、通常葉書3万5000枚及び選挙管理委員会に届け出た2種類以内のビラ7万枚
  2. 更に小選挙区においては、候補者届出政党は、候補者を届け出た都道府県ごとに、候補者1名ごとに2万枚の通常葉書及び候補者1名ごとに4万枚のビラ
  3. 比例代表選出議員の選挙においては、衆議院名簿届出政党等は、その届け出た衆議院名簿に係る選挙区ごとに、中央選挙管理会に届け出た2種類以内のビラ
  4. 上記1の通常葉書は無料、2の通常葉書は有料であり、日本郵政公社において選挙用である旨の表示をしたものでなければならない。また、候補者は、上記1のビラを、法定の金額の範囲内で無料で作成することができる。このため、選挙管理委員会の交付する証紙を貼らなければならない。

以上の通り、小選挙区の選挙では、候補者及び候補者の属する政党の発行するものも合わせて、候補者1人あたり最大で通常葉書5万5000枚とビラ11万枚のビラしか頒布することはできず、これ以外の文書図画は、頒布することができないのである(ただし、ポスターは別に規定がある)。もし、これに違反した場合には、2年以下の禁固または50万円以下の罰金となる可能性がある。

従って、インターネットに関係のあるものでいえば、候補者や政党のHPの新設・更新、ブログの新設・更新、電子メールやメールマガジンの配信、第三者による応援サイトの開設、配布用マニフェストのHP新規掲載などは、選挙期間中は禁止されることとなる(9月2日付け日経新聞記事)。

実際、自由民主党のホームページ民主党のホームページも、8月30日からは、街頭演説の予定表程度が掲載されているだけで、それ以外の内容の更新はなされていない。ただし、HPで公示前に公表された政党のマニフェストは閲覧することができる。

next:ネット利用の禁止は公職選挙法の精神に反する…

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