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Q.「爆弾製造」「自殺者募集」など有害情報へのプロバイダーの対応は?

(2005/07/12 鼎 博之 弁護士)

第7問:「爆弾製造」「自殺者募集」など、インターネットにおける有害情報に対して、プロバイダーがとりうる対応策にどのようなものがあるのですか。また、有害情報から未成年者を守るためにの対策としては何が考えられるのですか。

A:「プロバイダー責任制限法」でプロバイダーは有害な情報を削除できる

山口県の高校で起こった高校生による爆弾事件については、インターネットを利用して爆弾の作り方を学んだのではないかということで現在捜査が進められている。少年事件であるから、捜査情報が明らかにされない限り、この少年が、インターネットで爆弾製造法を知ったのか、あるいは自分で研究したのかに関する真実は多分明らかにされないであろう。本稿では、一応、爆弾製造法もインターネットで検索可能であるということを前提にして検討を進める。

このほかネットの情報が大きな社会問題となっているものに自殺サイトがある。自殺サイトにおいて自殺する仲間を募って複数で自殺を起こすという事件がたびたび報道されている。これ以外にも、前回Q6で記載したインターネットオークションにおける模造品、偽造品の出品問題、違法薬物の販売など、さまざまな違法有害情報をいかに規制するかということが問題になっている。

警察がプロバイダーに発信情報の開示を求めることが可能に

こうした背景を受けて政府は、内閣官房、総務省、文部科学省、警察庁などの関係省庁でつくる「インターネット上の違法・有害情報等対策関係省庁連絡会議」(IT安心会議)を設置。6月30日に、「インターネット上における違法・有害情報対策について」を発表した。ここでは、爆発物の作り方、自殺に関する情報掲載などのインターネット上の有害、または違法情報に対する規制策が盛り込まれている。

当面の政府の対策としては、(1)コンテンツ製作業者による自主規制支援、(2)フィルタリングソフトの普及支援、(3)情報モラル教育の充実、(4)相談窓口の充実の4項目から構成されている。

自殺サイトに関しては、人命救助の観点から、警察がプロバイダーに対して、発信者情報の開示を求めることができるようにするというのが、対策の一つである。警察庁によると、自殺サイトで知り合った集団自殺の死者は、2004年1年間で55人で、今年は4月末時点ですでに59人に上っているという。本来1人で実行できない自殺志向者が、2人以上集まって、自殺志向が高まって敢行することに寄与しているとすれば、自殺サイトは、人の崇高な生命を消滅させることに関与していることになろう。

しかし、規制はひとつの方法であるにしても、根本的な解決方法にはならない。根源的には、生命の尊さ、精神的な健康の維持、悩みの相談機関など、日常的な教育、相談方策が必要であり、自殺サイトを訪問するネットユーザーに対しては、悩み相談窓口のお知らせなど、関連する情報を提供することも必要である。

この点でいつも疑問に思うのが、各種検索サイトの検索結果の表示順序である。自殺の方法というサイトの検索をした場合には、自殺防止のサイトも同時に検索できるようになっているのかどうか、その検索結果表示順序によっては、自殺を思いとどまることもあると思われる。

景勝地でありながら、同時に自殺の名所ともいわれる福井県の東尋坊には、海岸近くの電話ボックス内には、「命を大切に」という掲示とともに、悩みの相談所の電話番号まで掲示されているとのことである。しかし、掲示板よりも、むしろ、人によるパトロールが大いに効果を発揮しているという。パトロールの人が、自殺志願者と思われる人に、「さぞかし苦しかったでしょう。」と声をかけると、自殺志願者は、泣き崩れて自殺を思いとどまることが何度もあるという。自殺志願者の周りの友人知人による関心が一番の自殺防止策であり、教育の中でも、ネット情報に詳しい関係者によるインターネット教育が重要な防止策であるということに異論はないであろう。

next:有害サイトと表現の自由の境界線…

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