日経BP ネットビジネスTODAY
ホーム > ネット法律相談所 無料メールサービスに登録 ニュースをRSSで購読 コラムをRSSで購読
ネットビジネスTODAY連載コラム
今日の新着記事
アップトゥデート
今日の最新ニュース
ニュースウォッチ
RSSフィード・パブ
気になる海外ニュース
フォトレポート
今,読み中!
インタビュー
事例
ネット法律相談所
ケーススタディ
ネットビジネス成功の方程式
マーケティング/ブランディング
入門「ブログマーケティング」
Webマーケティングの近未来
インターネットで顧客をつかむ
マーケットデータ
マネジメント
Webガバナンス
ネット社会の情報リスク
ライツマネジメントの現場から
テクノロジ
オープンソースウォッチ
セキュリティウォッチ
Presented by

Q.ネットオークションのトラブルは運営者に損害請求できるか?

eBayを訴えたティファニーの訴訟の行方に注目

ここで、興味のある訴訟が米国ニューヨークの裁判所で係争中であるので紹介したい。オードリ・ヘップバーンの出演した「ティファニーで朝食を」で有名なニューヨーク5番街に店舗を有する貴金属の販売で有名なティファニー社は、2004年6月21日、インターネットオークションの最大手であるeBayを被告として民事訴訟を提起した。同社のサイトで販売されている多くの貴金属はティファニー社の模倣品であり、eBayは、ティファニー社の模倣品の販売によって利益を得ていると主張して、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に訴えたのである。

ティファニーの主張によると、「同社の二人の従業員がフルタイムでeBayのサイトを検索した結果、ティファニーの貴金属の出品物のうち73パーセントが偽造品で、本物は、5パーセントしかなく、残りの22パーセントが灰色商品で、ティファニーと称して販売されているかどうかが不明であつた」と指摘している。しかし、上記に記載した73パーセントの商品の所有者は、商品が本物と思っていたということである。

この訴訟で、ティファニーは、eBayのサイトで販売されている偽造品1個に対して百万ドルの損害賠償を請求している。eBayの主張は、「1日にeBayのオークションに出品される商品は、25万個であり、それらの出品物について、それぞれ、本物か偽造品かを確認することは不可能である。また、たとえ、eBayの従業員がそれらの商品をチェックしたとしても本物とニセモノの区別が出来ない。むしろ、専門家であるのはティファニーである」と主張し、損害賠償は認められないとしている。

さらに、ティファニーの主張は、「eBayは、インターネットオークションという個人間の売買の巨大市場を創造して、その市場における売買により多大の利益を得ている。その利益は、ティファニーという著名ブランドを冠した商品によって得ているものであるから、損害賠償は当然である」ということになる。

この裁判の結果はまだ出ておらず、その後の裁判の行方に対する報道はなされていない。しかし、この裁判が投げかけた問題は実に大きい。ティファニーの出品物のうち73パーセントが偽造品で、本物は、5パーセントしかなく、しかも、出品者の多くは、自己が所有する商品が本物と信じていたという事実である。

  ティファニーの主張が、そのまま認められるとすると、オークションサイトの運営者は、その出品物が商標権を侵害するものか否かを検証しなければならず、大変な労力を要することとなる。また、もし、安易にオークションサイト運営者の偽造品に対する損害賠償責任が認められるとすれば、インターネットオークション市場に大変な影響を与えることになる、

以上の意味で、インターネットオークション市場における秩序の維持という意味で、冒頭に紹介した「プロバイダー責任制限法ガイドライン」策定作業の推移を見守りたいと思う。

鼎 博之(かなえ ひろゆき)
国際取引、企業法務、M&A、技術援助、ソフトウエアライセンス契約、ジョイントベンチャー、知的所有権を専門とし、第二東京弁護士会紛議調停委員会副委員長、国際交流委員会副委員長、常議員、綱紀委員などを歴任。ニューヨーク州での弁護士資格もあり。著書には、「会社役員の仕事」(共著、中央経済社・2003年)「Q&Aでわかるネットビジネス法律相談室」(共著、日経ネットビジネス・2000年)「電子商取引に関する日本の法制度」(共著、コマースネット ジャパン・1999年)ほか著書多数。新東京法律事務所所属。
バックナンバー
Net Business Solutions

ネットビジネスTODAYをご愛読いただき誠にありがとうございます。当サイトは2006年4月からはnikkeibp.jpのビジネススタイル面http://nikkeibp.jp/style/biz/)に統合させていただくことになりました。4月以降も継続する連載コラムは、ビジネススタイル面でお読みいただけますので、引き続きよろしくお願いいたします。

このサイトについて
「日経BP ネットビジネスTODAY」へようこそ! 本サイトは、毎日更新のオリジナル記事に加え、nikkeibp.jpIT Proからの厳選情報を満載してお送りします。ぜひ、毎日チェックして、ネットビジネスの「今」をつかむためにお役立てください。
nikkeibp.jp/IT Proロゴ
無料メールサービス
本サイトの無料メール会員にご登録いただくと、購読者様に向けた最新情報が満載のメールニュース(HTML)をお届けします。今すぐご登録を!
無料メールサービスに登録
RSS配信サービス
本サイトは、RSS配信をご購読いただくことにより、お手元で常に最新の更新情報を入手可能です。ぜひご利用ください。
RSSを購読
ホーム > ネット法律相談所 無料メールサービスに登録 ニュースをRSSで購読 コラムをRSSで購読