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Q.ネットオークションのトラブルは運営者に損害請求できるか?

(2005/06/29 鼎 博之 弁護士)

第6問:インターネットのオークションで、ブランド商品の模造品が出回っているそうですが、オークションサイトの運営者に責任はあるのでしょうか。消費者や企業が被害にあった場合の損害などを、オークションサイトの運営者に請求できるのでしょうか。

A.:原則はオークションの運営者に責任はないがガイドラインで細かく規定

インターネットオークションには高級ブランド品が数多く出品されている。時計、貴金属、アクセサリー、ハンドバッグなどは、もっとも人気の高いオークション出品物のひとつといえよう。しかし、その中には、ブランド品と紹介されていても、実際に購入してみると、ブランド商品の模造品であったという苦情も少なくない。5月30日付けの新聞報道によると、フランスの高級ブランド権利団体「ユニオン・デ・ファブリカン」が日本のオークション事業者に対して行った模造品・海賊版削除要請は、平成14年の約7万件から平成16年には23万件と急増しているとのことである。

オークションのトラブル防止へ向けたガイドライン作り始まる

そのような消費者の被害の防止のために、5月30日、総務省は、インターネットオークションサイトにおける知的財産権侵害対処方法として、「プロバイダ責任制限法ガイドライン」策定作業を開始した。同ガイドラインの主な内容としては、他の信頼できる第三者(信頼性確認団体)が一定の信頼できる手続きに即して著作権侵害に関する確認を行うなどの手続き、さらには、削除申出を受けたインターネットオークション事業者における確認事項の整備を行うことなどが考えられている。インターネットオークションにおいて、商標権侵害の出品物を発見した商標権者等の申出の手続きとして、申出者から個別に証拠を提出させるのではない、としているのである。

さらに、去る6月15日、警察庁、総務省及び経済産業省は、インターネットオークションを通じた模倣品・海賊版の販売による消費者の被害を防止するため、オークション事業者3社(株式会社ディー・エヌ・エー、ヤフー株式会社及び楽天株式会社)に対して、「自主規制ルールを整備し、自主的取組みを強化するよう要請」をおこなった。

既に、ヤフーオークションは、知的財産権保護ガイドラインを策定して、模造品を販売したり、買ったりすることは、犯罪に荷担していることになると指摘するなど、分かりやすいガイドラインを発表して、商標権侵害や、著作権侵害などを防止するよう取り組みを始めている。

また、オークション会社は、オークションに出品される品物の品質、または他人の商標権などの権利を侵害しないことの保証を一切していないので、落札者は自分の判断で模造品かどうかを確認するしかない。

「プロバイダー責任制限法」でサイトは自己の責任を回避できる

他方、インターネットオークションサイト運営者は、商標権者からの損害賠償請求に対してどのような場合に、自己の責任を回避できるかが問題である。この関係で、サイト運営者にとって有力な免責の根拠となるのが、プロバイダー責任制限法である。この法律の正式名称は、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」といい、2001年11月30日公布、2002年5月27日から施行されている。

この法律の対象になる「特定電気通信役務提供者」には、インターネットサービスプロバイダーなどの通信接続業者のほか、情報の流通に関係するホームページ運営者や電子掲示板の運営者なども含まれる。従って、インターネットオークションサイト運営者には、この法律の適用があることになる。

もし、オークションサイト運営者に対して、商標権者から商標権の侵害を理由に出品物の削除要請がなされたにもかかわらず、サイト運営者が削除要請に従わなかった場合には、サイト運営者は商標権者から損害賠償請求をされる可能性がある。しかし、上記のプロバイダー責任制限法によれば、サイト運営者が、商標権の侵害を知っていたか、それを知る相当の理由がある場合以外は、違法情報から生じる損害賠償の責任を負わない。

そこで、サイト運営者としては、模倣品の出品に対して削除要請がなされた場合に、商標権の侵害を知っていたか、それを知る相当の理由がある場合として、削除もせずに放置した場合、損害賠償の責任を負わされる可能性がある。従って、オークションサイト運営者としては、正当な商標権者からの削除要請に対しては、合理的な判断に基づき、模倣品の出品を削除するなどの措置を講じる必要がある。

他方、サイト運営者が、他人の商標権の侵害物が出品されていることを発見し、その出品について削除した場合、その出品者(情報発信者)に対する損害賠償義務に関し、他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があったときには、損害賠償の義務を負わないことになっている。

next:eBayを訴えたティファニーの訴訟の行方に注目…

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