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音楽配信への楽曲提供は自然な流れ、2008年には市場の3割が音楽配信に

(05/09/13 安藤 智彦=日経パソコン)

音楽CDの売り上げに対する影響が懸念される有料音楽配信サービス。一方で、非常に積極的なレコード会社もある。それがエイベックスグループだ。パソコン向けの「@Music」や携帯電話向けの「ミュゥモ」など、自社で音楽配信を手がけるほか、アップルコンピュータの有料音楽配信サービス「iTunes Music Store(iTMS)」への楽曲提供を最初に契約したのも同社である。エイベックス・ネットワークスの荒木隆司社長に音楽配信に賭ける意気込みを聞いた。

エイベックス・ネットワークスの荒木隆司社長

iTMSへの楽曲提供が一番早かったが。

基本的に音楽配信はどんどんやっていくというスタンスですから、アップルから話が来た時点で前向きでした。価格等含めて条件交渉はいろいろやりましたけれども。いつ話が来たのかは内緒です。

他のレコード会社に比べ、配信に積極的な理由は。

通常、音楽配信向けに楽曲を提供するとなると、全関係者に許諾を取らないといけないというのがあります。レコード会社と事務所さんがそれぞれ原盤権を持っている場合もあれば、共有している場合もある。

ウチの場合は基本的に、レコード部門も事務所部門も今は合併しちゃってエイベックス・エンタテインメントになったため、原盤権まで含めて自社で権利を持つアーティストが圧倒的に多い。外部のアーティストさんも原盤権についてはお渡しいただいてるケースが多い。お渡しいただいていないケースについても、そのプロダクションさんとの関係がすごくいい。そういった背景があるので、音楽配信向けに楽曲をまとめて出せるというのが現状です。

そもそも、去年の9月28日の株主臨時総会後の新体制発足に伴い、さまざまな組織改変だとか戦略の見直しといった構造改革を進めていく中で、2005年の頭には音楽配信を積極的にやるという意思決定をしていました。

iPodが数百万台普及しているなかで、その層を狙ったサービスを提供するというのは実に自然なことではないですか。逆に言えば、これほどiPodのユーザーが増えるという状況がなければ、音楽配信には乗り出さなかった。やっぱりたくさんの人が聞いてくれるものに対して音楽を提供していくのは、当たり前のことですよね。

そうはいっても音楽配信をする以上は、戦略があります。お客さんに音楽を届けるときに、僕らハイブリッド型といってますけど、配信とパッケージをどう組み合わせたほうがいいのか、どうすればお客様に届きやすいのか、音楽配信を含めプロモーションの仕方をどこでやるとCDパッケージの浸透に跳ね返るかということをテーマに研究実験をし続けています。音楽配信をする上で組む相手は、そういうことの融通が利くところのほうがいいにきまっている。全部の楽曲をすぐに出してください、なんて言われちゃったりしたらやってられませんよね。自社として楽曲を出すタイミング、出したいタイミングがあります。そういった自由度を我々は求めますね。けれども、あとは基本的に配信で出すということに何ら問題はないのではないでしょうか。

音楽配信が本格化するとCDの売り上げに影響するのではないか。

配信でパッケージが売れなくなる、というのは妄想にすぎない。CDと音楽配信は全くの別物です。前社の売り上げが後者に食われるという考え方はしていない。いまだかつてそんなことが起こった国はないでしょう。聞いたことがない。

150円とか200円とか安さばかりが引き合いに出されますが、一番安いのはレンタルですから。10曲入りのアルバムを300円で借りたら1曲30円の計算になったりする。販売開始からちょっと待てばすぐレンタルで出回りますよね。だから、安いマーケットという観点からすると、日本は実はアメリカより安いんですよ。音楽配信が始まる前からね。

それよりどれほど便利なのかという問題が大事なんです。店頭に行かずに音楽を携帯電話で受け取るのか、PC経由でiPodで受け取るのかという。そういった端末で音楽を聞くという選択をお客さんがしているかどうかということなんです、ポイントは。まったくお客さんがそういった形態を選んでいないのであれば、エイベックスとしては音楽配信についてノーですよ。

国内の音楽CD市場は、4、5年前の6000億円がピークだった、去年で3700億円くらいまで落ちました。音楽配信が本格化する前に縮んじゃってるんですよね。これはやっぱりCDバブルだったんじゃないでしょうか。音楽配信とあまり関係なしにマーケットが崩れちゃっているんです。ただ、今期に入ってCDはすごく売れている。数字自体はまだ発表していないが、うちだけじゃなくてマーケット全体が伸びています。 [全文]

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