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「アップル、ナップスター陣営の戦略にも動じず」――小池恒右オリコン・グループCEO(後編)

(05/09/06 取材・文=橋本雄一)

音楽関連のヒットチャートデータを提供するオリコンは今年3月から同社の音楽情報サイト「ORICON STYLE」において、音楽のダウンロード配信サービスを開始した。アップルコンピュータなどの参入でにわかに活気づいてきた音楽配信ビジネス。「音楽配信はレンタルをリプレースし、音楽産業を活性化させる起爆剤」と持論を展開するオリコン・グループCEOの小池恒右氏に現状の課題、同社の戦略などを聞いた。

小池恒右オリコン・グループCEO
プロフィール:小池 恒右(こいけ こう)
1965年、東京生まれ。音楽CDやDVDなどの販売動向を集計した国内随一の音楽チャート情報誌「Original Confidence」をベースに国内の音楽市場の調査・分析に取り組む。最近では、自社サイトで音楽配信サービスをスタートさせるなど、音楽コンテンツ事業に積極的に取り組んでいる。

――先頃、アップルコンピュータが国内での音楽配信を開始しました。この動きをどう見ていますか?

音楽配信ビジネスの活性化という点では歓迎しますが、基本的にアップルコンピュータ(以下、アップル)はコンペティター(競争者)ではないと思っています。

アップルの「iTunes Music Store」は携帯音楽プレーヤー「iPod」向けに展開する音楽配信サービス。一方「ORICON STYLE」はWMA形式で配信しており、Windows Media DRM対応プレーヤーで聴くことができます。利用するプレーヤーが異なるので、コンペティターにはならないでしょう。




国内の配信局はレーベルとの関係性が重要に

「iTunes Music Store」は100万曲に及ぶラインアップ、そのうち9割は1曲150円と提供楽曲数の豊富さと割安感をアピールしていますが、これまで世界各国でサービスを展開してきた結果、各国のドメスティックな楽曲が追加されて膨大なラインアップになっています。1曲150円で提供できるのは、主にそうした海外の楽曲が中心です。

国内では配信する楽曲の価格はレーベル側が決めるので、配信事業者が違っても、基本的に価格は同じです。例えば、他の事業者が210円で提供している、国内の人気アーティストの楽曲が「iTunes Music Store」なら150円で聴けるということにはならないと思います。

携帯音楽プレーヤーの市場でアップルが占めるシェアは30%前後です。逆に言えば、70%はアップル以外の携帯音楽プレーヤーが占めているわけです。「ORICON STYLE」は、この中で音楽配信サービスのトップシェア獲得を目指していきます。

――来年4月にはナップスターとタワーレコードが手を組んで国内での音楽配信に乗り出す予定です。こちらは従量制に加え、定額制で聴き放題のサービスも提供予定です。音楽配信における定額制サービスの可能性は?

国内の楽曲による定額制サービスは、将来的にはあり得るかもしれませんが、来年の実現は難しいのではないでしょうか。韓国では定額制サービスが実現していますが、国内は定額制サービスに対する著作権料の料率がまだはっきりしていません。

各レーベルやJASRACも難色を示しているようです。国内の楽曲による定額制サービスは、現時点でビジネスモデルとして成立が難しいため、脅威はまったく感じていません。

next:消費者ニーズに応え、楽曲の低価格化が今後の課題

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