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検索業界に殴り込みかけるAsk.jp 「3年以内にシェア25%、検索業界第2位を目指す」――塩川博孝 アスク ジーブス ジャパン社長兼CEO

手間のかからない簡便な検索サイトを実現

「Ask.jp」の「一発検索」の画面サンプル

―日本市場で「Ask.jp」を提供する狙いとは?

今の検索サイトは初心者にやさしいサービスとは言えません。知りたいことが明確な場合はいいのですが、知りたいことが漠然としている場合は、肝心の情報にたどり着くのが大変です。ひとつのキーワードで1万件もの情報がヒットしても、調べようがありません。ヒットした中には、いわゆるゴミ情報も多いわけです。

検索に熟練している人は検索式を組み合わせて、必要な情報をピンポイントで探し出すことができるかもしれません。でも、ユーザーすべてが検索に熟練しているわけではありません。「検索式など覚えなくても、簡単に知りたい情報を入手できる検索サイトを提供したい」というのがそもそもの狙いです。そのため、先ほど申し上げた「一発検索」「さらに絞り込む」「おすすめリンク集」など、必要な情報をすばやく入手できる機能充実に努めています。

―先行している米国の状況は?

米国では1997年4月から「Ask.com」のサービス提供を開始しています。当初は「魚はいつ眠るのか?」といった質問をそのまま入力すれば検索できる自然文検索が強みで、子供向けの検索サービスなどもあり、主に家庭で利用されるケースが多かったようです。現在は広く認知され、ビジネスでの利用も増えています。米国での検索サイトの市場シェアはGoogle、Yahoo!、MSNに次いで業界第4位に位置付けられています。

収益は広告モデル主体、「Pay per Call」型の新サービスも検討

―「Ask.jp」では、どのようなビジネスモデルを考えていますか?

広告モデルが主体で、システムの外販は基本的に考えていません。現在展開している広告事業としては、検索結果ページの上位と下位に表示される「スポンサーリンク」があります。スポンサーリンクはGoogleアドワーズ広告及びキーワード連動型広告サービス「LISTOP」と提携し、「Ask.jp」は配信メディアのひとつとして広告収益の一部をレベニューシェアしている形です。スポンサーリンクはコマーシャリズムが突出しないよう、検索結果の上位、下位ともに表示するのは3件までに抑えています。

今後は「一発検索」の事業化を検討しています。一発検索はカテゴリーを選んで、キーワードを入力するとユーザーの検索意図を理解して、知りたい情報をダイレクトに表示します。この情報はパートナー企業から提供されているデータベースを基に「一発検索」窓のキーワードと合致した最適な情報を表示する仕組みです。そのため、URLをクリックすることなく、情報がダイレクトにユーザーの目に触れるので、広告的価値の高い魅力的なスペースと言えます。例えば「一発検索」で「新車」と入力して検索すると、現在は検索結果の上位に売れ筋ランキングが表示されますが、これを自動車メーカーやディーラーのホームページに誘導し、クリック単位や売り上げに応じた成果報酬型の課金による広告サービスなども展開可能でしょう。

またパートナーのトランスコスモスがコールセンター事業を展開していることもあり、同社のリソースを生かした「Pay per Call」型の新しい収益モデルも考えています。具体的には、ジャンルや地域などを選んで地方の情報を提供するローカル検索機能を提供し、その検索結果として表示されるお店情報に問い合わせの電話番号も記載しておくのです。その電話番号の問い合わせ件数やお店への送客数に応じて課金する成果報酬型のサービスです。この方法なら、ホームページを持っていない地方の小さなお店でも、インターネットで効果的に広告宣伝を展開できるでしょう。

惰性ユーザーを取り込めば勝算あり

―今後どのようなサービス強化を考えていますか?

検索サイトとしての精度を高めていくのはもちろんですが、現在13種類で提供している「一発検索」のカテゴリーを20程度まで増強していきたいと思っています。利用頻度の高い情報としては、お天気、路線検索などが代表的ですが、これらの機能はすでに装備しています。あと足りないものとしては地図情報でしょう。これが揃えば、大手の検索サイトと遜色ないラインアップになります。7月にはブログサイトを対象にしたブログ検索サービスも提供予定です。

―今後の目標や展望をお聞かせください。

米国と日本ではサービスを開始した時点でのマーケット状況が異なるので、単純な比較はできませんが、米国はトップシェアのGoogleでさえ25%程度、次いでYahoo!が20%程度と、検索業界のシェアが比較的分散しています。それに対し、日本の場合はYahoo! JAPANのシェアが突出していて、その他上位数社だけでシェアの9割以上占めているような状況です。日本のほうが、後発サービスには厳しい状況と言えるわけですが、大手の検索サイトを使っているユーザーでも、明確な意図をもって特定の検索サイトを使っているというユーザーばかりではありません。惰性で使っているユーザーも多いのではないでしょうか。先ほど申し上げたように、精度の高い情報を得るには複雑な検索式を使いこなさなければならない場合もあり、惰性で使っているユーザーの中には、もっと簡単に精度の高い情報を入手できる検索サイトを求めているユーザーも大勢いると見ています。

さらに継続的に利用してもらうためには、検索サイトとしての機能面の充実ばかりでなく、「Ask.jp」を積極的に使いたいと思うような付加価値を充実させることも重要でしょう。その一環として、検索するだけでマイルがたまる「ネットマイル」、メールに添付するだけでディズニーなどのキャラクターアイコンがさまざまな感情を伝えてくれるコミュニケーションツール「Smiley Central」などのサービスも提供しています。こうした使い勝手の良いヒューマンタッチな検索サイトをアピールし、Yahoo!でもGoogleでもない、人にやさしい第3の検索サイトを目指していく方針です。

売り上げ目標については具体的な数字はまだ申し上げられませんが、5月13日に開始したテレビCMの影響で、放映前と比べてアクセスは数倍に跳ね上がりました(テレビCMは6月9日で終了)。シェア5%を超えれば、検索サイトとしてブレークするのではないかと見ています。まずは市場での存在を認知してもらうのに必要と言われる6~7%程度*1のシェア獲得を早期に目指します。その後は市場に影響力を持つとされる25%程度*1のシェアを獲得し、業界第2位のポジションを3年以内に実現したいですね。


*1 クープマン目標値に基づいたシェア目標値。クープマン目標値では、市場で存在していける最小レベルの「市場存在シェア」として6.8%、市場に強い影響力を持つ強者グループに位置付けられる「市場影響シェア」として26.1%を定義している。
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