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東芝:オリジナルWebムービーで継続視聴を促進 若年層を取り込み、企業イメージを改革

“広告臭”を排除し、話題性のあるコンテンツづくりで若年層に訴求

「真昼の花」の1シーン
「真昼の花」の1シーン

いわゆるWebムービーの中には、本編の中に製品を登場させて購買の動機付けを図るプロダクトプレースメントの手法を採用しているものもあるが、Toshiba Web Streetは具体的な製品についての販売促進を目的としたサイトではない。また短期的なキャンペーンでもなく、中長期的な視野に立って企業イメージの変革を促すのが狙い。そのため「まずはサイトを訪れ、継続的にコンテンツを視聴してもらうことを考えた」(岸氏)。つまり“広告臭”を極力排除することで、ユーザーの継続視聴に結び付けようと考えたわけだ。

そのための仕掛けとして、出演者に集客の図れるタレントを採用するなどキャスティングを工夫したり、著名な作家の原作を作品化するなど話題性のあるコンテンツづくりを心がけたと言う。

例えば、タワーレコードとのタイアップで制作した「NO MUSIC,NO LIFE.」(配信期間:2003年10月~2004年9月まで)では、タワーレコード渋谷店を舞台に音楽をめぐる若者の青春群像を描き、音楽ファンの取り込みを狙った。青春ドラマ「ドルフィンスイム」(配信期間:2004年7月~2005年6月まで)では、ローティーン向けファッション雑誌「ニコラ」(新潮社)のモデルを抜擢し、同年代の若者に親しみやすいものにした。ロードームービー型達成劇「真昼の花」(2005年4月~2006年3月まで配信予定)は直木賞作家・角田光代氏の同名小説を映像化したもの。主人公には若者に人気のタレント・森下千里を抜擢した。

若年層ユーザーの拡大に伴い、AV機器メーカーとしての認知促進に成功

サービス開始当初は目標の半分程度のページビューしかなかったと言うが、その後は順調に推移。具体的なページビュー数は公表していないが、現在は当初の目標を上回るページビューをはじき出している。それに伴い、ユーザーの視聴傾向や東芝に対する企業イメージにも変化が見え始めてきた。

アクセスログから分析すると、依然として30代男性が会社で視聴しているケースが多いようだが、休日のページビューが伸びており、若年層の女性比率も増加している。また昨年7月から8月にかけて実施したWebアンケート(有効回答数2764名)では、若年層のユーザーが増え、東芝に対してAV機器メーカーとしての企業イメージを抱く回答が増加したと言う。岸氏は「ユーザー層の広がり、企業イメージの変革という点では一定の成果はあったと自負している」と胸を張る。

今後の課題はユーザーの囲い込み強化と販売促進の施策

しかし、課題もある。岸氏は「昨年下期以降、Toshiba Web Streetへのアクセス数は頭打ち」と打ち明ける。「その理由のひとつとして、岸氏は「現在は有料、無料を含め、さまざまな動画コンテンツが提供されているため、Webムービーに対する新味が以前より薄れてしまったためではないか」と分析する。

また、企業イメージの変革に一定の成果が得られた今、次のステップとして、Toshiba Web Streetでの展開を具体的な商品提起や販売促進にどう結び付けていくかを考えていると言う。その対策として、先述した「真昼の花」では、従来用いていなかったプロダクトプレースメントの手法を取り入れ、ストーリーに影響しない程度に本編の中でさりげなく東芝製品を取り上げている。

さらに今後の展開として、ユーザーにインセンティブを与えるポイントサービスやユーザー同士の口コミ効果による広がりを狙ったコミュニティサービスなども検討している。岸氏は「ユーザーの囲い込みをこれまで以上に強化し、今後につなげていきたい」と新たな展開の可能性を示した。

企業プロフィール
設立:1904年6月
資本金:2749億円(2005年3月末現在)
従業員::3万810人(2005年3月末現在)
事業概要:総合電機メーカー。主力事業ドメインは「デジタルプロダクツ事業」「電子デバイス事業」「社会インフラ事業」。デジタルプロダクツ分野では、高機能ホームサーバー、デジタルAV、情報機器などの研究開発に注力している。
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