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オフィス・デポ ジャパン:米国本社流のSEM活用術でネット販売の急成長を実現

(2005/04/19 取材・文=橋本雄一)

豊富な品揃えと、メーカーからの直接大量仕入れによる“Low Price Every Day”を実践するオフィス用品販売のオフィス・デポ ジャパン。同社は2003年からネット広告の本格展開を開始。SEM(Search Engine Marketing)におけるキーワードの選定、検索結果の説明文などに独自の工夫を施し、順調に売り上げを伸ばしている。

オフィス・デポ ネットショップのトップページ
オフィス・デポ ネットショップのトップページ

世界に約1000店舗を展開するワールドワイドなオフィス用品販売会社、米オフィス・デポの日本法人として、1996年に設立されたオフィス・デポ ジャパン。現在は東京、横浜、大阪など24店舗(2005年3月現在)を展開し、約1万2000アイテムもの幅広いオフィス用品を販売する。

設立当初は店舗での直接販売とカタログによる通信販売という2本柱で事業を展開していた同社だが、2000年9月にはWebサイト「オフィス・デポ ネットショップ」をオープン。店舗販売と通信販売に加え、ネット販売にも乗り出した。「しかし、当時は既存の通販利用客を主なターゲットとしており、積極的に広告展開はしていなかった」。同社でネット広告展開などを担当するマーケティング本部 インターネットマネジメントグループ インターネット担当マネージャーの添田有子氏は、そう打ち明ける。

米国本社の実績を評価し、03年からSEMを本格展開

添田有子氏
マーケティング本部 インターネットマネジメントグループ インターネット担当マネージャーの添田有子氏

その当時、同社の売り上げ全体の中で、ネット販売の占める割合は数%程度だった。売り上げ全体の10%確保という目標を掲げ、同社がネット広告の本格展開を開始したのは2003年末から。そこで手法として採用したのがSEM(Search Engine Marketing)である。

SEMは検索サイトにおいて、あらかじめ特定のキーワードを購入しておき、ユーザーが検索サイトでそのキーワードを入力すると、検索結果の上位に自社サイトの情報が表示されるというもの。なるべく上位に表示されたほうがユーザーの目につきやすいため、一般に上位に表示させるほど単価は高くなる。

この手法を採用した理由は、米国本社での実績を評価したため。「弊社としては国内で初めての本格的な広告展開であり、様々な手法を検討した。その結果、著名なサイトのトップページにバナーやテキストを掲載する、いわゆる純広告の形はその効果を疑問視する声もあった。しかし、SEMは米国で一定の成果を上げていたため、その手法を採用することにした」。添田氏はこのように話し、SEM導入の理由を説明する。現在はキーワード広告を提供するオーバーチュア(東京都港区)などを通じ、「Yahoo! JAPAN」、「MSN」、「Google」などの大手検索サイトにおいてSEMを展開している。

Yahoo! JAPANのキーワードはシンプルな括りを選択

検索サイトを訪れるユーザーは、目的をもって検索サービスを利用するケースが多い。そのため、検索のために入力したキーワードと関連の高い情報をユーザーの目に付きやすい上位に表示するSEMは、不特定多数を対象とした通常のバナー広告などに比べ、見込み客などを誘導しやすい効果的な広告形態と言われている。しかし、それだけに購入するキーワード選びは慎重に行う必要がある。的を得たキーワードに関連付けられた情報は多くのユーザーを誘導できる可能性が高いが、そうでないと、ユーザーの関心を引くことが難しいからだ。

SEMの効果を高めるため、同社は「媒体の特性を考えたキーワード選びを心がけている」(添田氏)と言う。例えば、Yahoo! JAPANは検索サイトとして認知度が高く、利用者数も膨大だ。その中にはネット検索に不慣れなユーザーも相当数含まれる。

「そういうユーザーは情報を検索するにしても、あまり複雑なキーワードは指定しない可能性が高い。Yahoo! JAPANでは細分化したキーワードではなく、比較的大きな括りのキーワードを重視し、数多くのユーザーの目に触れるように工夫している」(添田氏)。具体的には、商品名などをキーワードとするのではなく“オフィス用品”や“OAサプライ”など商品ジャンルをキーワードとして購入している。

Googleではより細分化されたキーワードを選択

「一方、GoogleはYahoo! JAPANに比べ、ネット検索に精通したユーザーが利用する傾向が強いと思われる。そのため、こちらのサイトではYahoo! JAPANより、細分化されたキーワードを購入している」(添田氏)。

また、検索結果から「オフィス・デポ ネットショップ」に訪れたユーザーが、知りたいと思われる情報にすみやかにたどり着けるように、検索結果の情報のリンク先を使い分けている。例えば、商品を特定できない、大きな括りのキーワードは「オフィス・デポ ネットショップ」のトップページに、細分化されたキーワードは商品ページにダイレクトにリンクを張るといった具合だ。

さらに検索キーワードの使い分けと同時に工夫しているのが、検索結果とともに表示される説明文だ。「その内容によって成果に如実に影響が出る」(添田氏)と言う。最低月一回はキーワードごとの成果を分析しているが、キーワードはそのままでも説明文を変えれば、成果が上がることもある。

添田氏は「思うような成果が上がらないからといって、すぐにキーワードを見直すのではなく、説明文を工夫するなど、ユーザーの関心を引く努力が大切」とアドバイスする。「ユーザーの食い付きがいいのは“無料”“新製品”などインパクトのあるキャッチコピー。限られた文字数の中で、これらをうまく使い分け、効果的に訴求するのがポイントだ」(添田氏)。

ネット販売の3割は検索サイト経由で

ネット販売の売り上げ拡大を目指した広告展開は功を奏し、当初の目標値であった売り上げ全体の10%確保はすでに達成済みだ。現在も順調に売り上げを伸ばし、ネット販売は通信販売全体の売上の約20%を占めるまでに成長している。

「その中で、ネットでの売り上げの約3割は、検索サイト経由ではじき出している」(添田氏)。SEMの手法はネット販売戦略の柱とも言える存在だ。しかし、添田氏は「競合他社も、SEMの使い方を研究しており、気が抜けない状況」と気を引き締める。「今後はキーワードの選定にさらに磨きをかけ、媒体をより効果的に使い分けていくとともに、SEM以外の新しい広告手法にも目を光らせていく」。添田氏はそう話し、新たな試みにも積極的な姿勢を示した。

企業プロフィール
設立:1996年
資本金:9億650万円
事業概要:文具、OAサプライズ、オフィス家具、ビジネス機器、オフィス生活用品、オリジナル商品などのオフィス用品全般の小売り及び通信販売。
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