うつ病Q&A
うつ病Q&A

2013年5月26日に開催された「メンタルヘルス・シンポジウム 2013東京」。会場参加者から寄せられた質問に、パネリストの先生方にお答えいただくコーナー。15回目は、東洋英和女学院大学教授、横浜尾上クリニック院長の山田和夫氏に回答していただいた。

男性

支えている周囲が、長時間労働やストレスで病んでしまうことも十分あり得るというのが、多くの会社の現状です。そのような中で、なぜ企業がリワークを支援しないといけないのでしょうか。

この機会にぜひともうつ病の構造を理解してほしいのですが、うつ病は体の病気です。簡単にいうと「神経の疲れ」という病気です。これは脳と抹消神経、抹消神経の一部の自律神経失調症と、全体の神経の疲れです。心や気持ちの病気だと誤解されがちですが、実は体の病気です。ですから、何となく落ち込んでいるときに気晴らしをしようというのは逆効果になります。

うつ病の患者さんが受診される際、私は本人や家族に対して、38度5分くらいの熱があると思って対応してくださいと伝えます。何となく元気がないので、どこか旅行に行こうというのは無理な話で、かえってうつ病を悪化させてしまいます。38度5分の熱があれば、パジャマに着替えて体を休めることが一番です。一時期、うつ病は心の風邪ともいわれましたが、誰もがかかるという意味では確かに心の風邪かもしれませんが、非常に辛くて時間がかかるという意味では心の風邪ではありません。

うつ病は最終的には自殺まで考えるほど、大変な病気です。マイナス思考になり、世の中が真っ暗で良いことは何も浮かばず、治るのに時間がかかるという意味では、心の骨折といったほうがいいでしょう。骨折した場合は治療に2~3カ月ほどかかり、一見普通に見えても、全速力で走ることはできません。同様に、うつ病から職場復帰したときに、慣らし勤務などでリハビリを行うことが必要なことを理解してほしいと思います。