うつ病Q&A
うつ病Q&A

2012年12月16日に開催された「メンタルヘルス・シンポジウム 2012 東京」。会場参加者から寄せられた質問に、パネリストの先生方にお答えいただくコーナー。4回目はメディカルケア虎ノ門院長であり、うつ病リワーク研究会代表世話人である五十嵐良雄氏に回答していただいた。

交通運輸業 経営管理室 男性


リワーク時、失敗のカギとなる要因は何か特定されていますか。

最近、若年層で心配になる人たちがずいぶん増えて、「新型うつ」という表現がメディアをにぎわせています。今回のシンポジウムを聞いて感じたのは、そうした人たちの大多数は病気であることは張先生をはじめ他の先生も力説していますし、私もそうだろうと思っています。中には双極性障害や発達障害を併存している人もいますので、病状は非常に複雑になっていることが考えられます。

50~60代の人たちと、若い人たちの表現方法が違うため、そうした意味でも、症状を表現するときの違いが出てくるのではないかと思います。小さい頃から不安のベースを持っている人が、例えばちょっといじめがあって気分が陰うつになる。それが少し年を経て、失恋があったり、大学に入って親元から離れたりという中で、軽いうつ状態が出てくる。これは軽症うつと言ってもいいのかもしれません。その後、会社に入って1~2カ月でばたばたと休職していく新入社員がいます。そうした人たちの発症は、会社に入ってからではなく、もっと以前、例えば、小学校の時かもしれないと考えれば、病気はとても長いわけですから、なかなか治療もうまくいかないでしょう。

しかし、このようなことはリワーク・プログラムの中でわかります。本人に、どうして休職しなければならなかったのか、自分のヒストリーのようなものを書いてもらうと、30歳ぐらいで何度も復職や休職を繰り返した人は、やはり小さいときの課題が多く見られます。しかし、恐らく本人はそれを主治医に語っていません。ゆっくりと話ができる余裕のある診療は、保険ではもちろんできませんし、本人もなかなかそういうことが言えないかもしれない。

3回目、4回目、休職して初めてそれに気づくというプロセスです。こうしたケースがあると医師や本人がわかっていれば、何に気をつければいいかもわかってくるので、そこで初めて本当に回復していくのかもしれません。