うつ病Q&A
うつ病Q&A

2012年7月22日に「メンタルヘルス・シンポジウム 2012 名古屋」が開催された。会場参加者から寄せられた質問に、パネリストの先生方にお答えいただくコーナー。6回目は国立精神・神経医療研究センター理事長・総長の樋口輝彦氏に回答していただいた。

大学教授 女性
女性のうつは「女性ホルモン」に関係することがわかりましたが、現代型うつと性差はあるのでしょうか。

はじめにお伝えしたいのは、近年、「現代型うつ病」や「新型うつ病」という言い方をよく見聞きされると思いますが、これは学術用語ではありません。もちろん教科書にも学術誌にも出てきません。これはメディアがつくった言葉です。ですから、まずは正式な意味での学術用語でないことを理解していただきたいと思います。

例えば、うつ病の有病率は総人口の何%という形で疫学統計の数値が出てきますが、この現代型うつ病や新型うつ病は疫学統計のデータも全くありません。唯一、「非定型うつ病」は学術用語にもあります。非定型うつ病のほかに、うつ病性障害、大うつ病性障害という学術用語はあり、それに関してはいろいろな統計的データも揃っています。従って、性差があるのか、あるいは女性の現代型のうつ病はどうなのかというご質問に対して、正確なお答えをすることができません。

ただし、メディアによく紹介されている現代型うつ病は、男性について取り上げられていることが多いと思います。仕事がおっくうでできない、楽しくない、能率が上がらない。一方で、仕事が終わった後のアフターファイブになると、急に元気になって酒を飲みに行くなどという典型例が挙げられますが、その多くは男性の会社員をイメージした書かれ方をしています。女性のうつ病発症率は男女差がどれくらいあるのか、本当のところはまだわかっていません。