うつ病Q&A
うつ病Q&A

2012年7月22日に「メンタルヘルス・シンポジウム 2012 名古屋」が開催された。会場参加者から寄せられた質問に、パネリストの先生方にお答えいただくコーナー。2回目は、東京慈恵会医科大学精神医学講座教授の中山和彦氏に回答していただいた。

大学非常勤講師 女性
機能性月経困難症の治療で低用量ホルモン剤(ピル)を8年ほど服用しています。この薬の服用で腹痛は大幅に改善し、今後も服用を継続予定です。また、服用を始め、気分の浮き沈みがあまりなくなったと感じています。これが良いことなのか、悪いことなのかわかりません。ホルモン剤の服用とうつ病とのかかわりがあれば、教えていただきたいと思います。

講演の中でも少し触れましたが、最近は低用量のピルで、とてもいい薬が出てきています。もともとピルは男性ホルモン誘導の薬です。つまり、月経を抑制する方向ですから、男性ホルモンの誘導体ということになりますが、現在では利尿剤の誘導体も出てきて、非常に期待されています。

質問者の方は月経困難症ということですが、厳密に言えば、月経困難症は月経が困難であるということなので、講演の中でお話した「PMS(月経前症候群)」や「月経前不快気分障害(PMDD)」とは少し異なります。但し、これに伴う諸症状を改善する意味でのピルの服用は当然あります。

いずれにしてもピルは低用量とはいえ、プロゲステロンの誘導、黄体ホルモンを投与するので、セロトニンの機能を下げる方向になり、副作用としてうつ状態になることがあります。質問者の方は幸いにもそのような状態はなく、喜怒哀楽がフラットになるということでした。ただ、これも1つの問題点であると思いますが、一般には落ち込む方向にいきやすいことを理解していただきたいと思います。

また、更年期障害のときもピルを使いますが、やはりうつ状態を発症することがあります。先にも述べましたが、最近はいい薬がいろいろと出てきましたので、うつ状態に向かうことも少なくなり、安全に使えるようになりました。ですから、質問者の方にとって、少なくとも月経困難症に伴う痛みなどに有用であることはいいことです。しばらく継続して服用されるのは悪いことではないと思います。