うつ病Q&A
うつ病Q&A

情報通信 人事部 男性
精神医療の立場から、企業側との連携や対応で最も必要とされているもの、あるいは企業側に望む事項、早期復職に向けて企業が行うべき対応事項について。また、リワーク時における自殺リスクへの対応方法についても教えてください。

まず、精神科医から企業への要望について、お答えします。京都府では3年前から年2回、精神科医や産業医、企業の担当者が集まり「復職ネットワーク会議」を実施しています。これまで精神科医は、企業の担当者が診療所に来られて、その人の話以外に情報がない場合、間違った判断をしてしまうことがありました。特に職場関係の人間関係は、企業側の話だけではよく分からないこともあります。そこで、この3者間の連携を深め、正しい情報をきちんと伝えることが必要だと考えました。

また、私たちの世代の精神科医は、精神疾患を患うと企業から排除されるという経験をしてきたため、診断書に「うつ病」や「統合失調症」と明確に書くことを避けてきました。今はまた状況が変わっていますが、精神科医からのお願いとしては、精神科医が書いた診断書で曖昧な表記はそのままにしないことです。もし疑問に感じたら、きちんと聞いて欲しいと思います。

正しい情報のやり取りができることがベストですが、互いに遠慮し合って情報が伝わらず、失敗してしまう。企業側が本当に情報を知りたいと思うのであれば、患者本人の承諾を得て、主治医に時間を取ってもらうことをおすすめします。

当院では、企業との面談料を1時間いくらと決めてやっています。当初はサービスでやっていましたが、どうしても1時間以上かかるため、それならば患者からの医療費ではなく、企業に面談料を払っていただこうと考えました。企業も有料できちんとした情報を取りに行き、そして精神科医も情報をしっかり出す。このことが大事だと思っています。

次に、リワーク時における自殺リスクの対処法について。これはスタッフがこまめに患者の変化を見ていくことに尽きると思っていますが、実際にリワークに参加されている途中や復職目前で自殺したケースもあり、十分な注意をしていますが、難しい問題です。

例えば、復帰前に患者さんがふと不安を漏らしたら、それを見逃さず時間を割いてきちんと話を聞く。「不安があって当たり前だよ」と、フォローすることが大事です。特に何度も復職と休職を繰り返している人は、次に失敗したらもう終わりだと思い込み、復職間近で不安感が強くなったときが危険です。当院では、何度も復職に失敗し、今度こそと思っている患者さんに対しては、スタッフ全員で慎重に対応しています。