うつ病Q&A
うつ病Q&A

医師 男性
血液透析患者が多い病院ですが、がん患者等と同じ環境にあります。うつ病の症状として「不眠」がありますが、透析患者さんにも「不眠」が多いです。うつ病→不眠、不眠→うつ病へ、どのような薬剤処方をしたらよいでしょうか。

透析患者さんは週2回から3回、機械に6時間つながれる状態で、非常に高いストレスを抱える方が多く、中でも不眠を訴える方が多い状況です。

薬剤処方を有効にするために、1つやらなければいけないことがあります。まず、患者さんたちが透析になってしまった背景について知ることが大事です。現在は糖尿病になることが多いですが、人によっては風邪を引いて扁桃腺から腎炎になったなど、さまざまな背景を抱え透析になっています。

透析になった結果、健康が阻害され、週2回は仕事から帰って夜に透析を受けなければならない。社会的にも仕事が続けられない。うまく仕事ができない。以前のようにバリバリ働けない状態になってしまいます。つまり、こうした「自己保全感」をたくさん抱えているわけです。ですから、まず薬を投与する前に患者さんが持っている背景、それから喪失体験を十分に把握することがポイントです。把握した上で薬を出すと、薬剤の治療がさらに有効になります。

次に、薬に関してですが、シンポジウムのスライドで示しましたように、副作用をいかに起こさないかが重要です。私自身、透析患者さんに薬を出して意識障害が起こった経験がありますが、人によって薬剤は過剰に蓄積します。特に、睡眠薬など長期間作用するものはできるだけ避け、使う際には充分に注意して使うこと。そして、患者さんごとに薬で副作用が起きるかどうかを把握し、なるべく体に蓄積しない薬を使っていただきたいと思います。