うつ病Q&A
うつ病Q&A

人材サービス業
「現代型うつ病」の原因は、やる気がなく、今まで頑張って褒められたことがない…などが原因とのお話でしたが、では、どうしたらよいのでしょうか、どうしたらそういう人が減るのでしょうか。個人的には、子供が小さい頃からどんなふうに育ってきたかが大切と思いますが、となると、親の教育が大切と考えますが、先生のお考えを教えてください。

これは大変難しい問題で、必ずしも親の教育だけがうつ病の原因ということではないと思っています。ただ、前回、中村先生が言われたことは私自身も企業の診療所に10年程、非常勤で勤めた際に経験しています。

かつて私たちが学生時代に経験したことが必ずしもベストであるとは言えませんが、多くの場合、社会に出る前に「小さな社会生活」を経験していました。大学のクラブ活動、特に運動系のクラブは上下関係も厳しく、その中で例えば人とぶつかったことが1つの経験となり、そうした経験を経て社会人になっています。ところが、今はそうではありません。

私が企業の診療所で出会った典型的なケースをご紹介します。
自宅は東京にある人が新入社員として会社に入り、最初は家から通える本社勤務で研修を受け、半年後、札幌支店に転勤しました。研修期間は教育される立場でしたが、いよいよ独り立ちをして仕事を始めます。でも、まだいろいろなことがよく分からない。上司に聞いても厳しく言われる。そうすると、突然、何の届けも上司に相談もなく、東京の自宅に帰ってしまいます。

自宅に帰ってくると、どういう事情かわかりませんが、両親も温かく迎えてくれてとても元気になります。しばらくして体調を取り戻して支店に戻りますが、また同じことを繰り返します。症状としては、軽い“うつ状態”ということになりますが、本人に小さい頃からのことを聞いてみると、集団の中での経験がないと言うんですね。

こうした患者さんをみていてつくづく感じるのは、やはり思春期の頃に何らかの集団の中で、厳しい練習や難しい課題に立ち向かい、あるいは人との関わりを経ていくことは非常に意味があり、重要だろうということです。最近、大学生が本格的な運動部やクラブに入る率が減っており、比較的緩やかなサークルや同好会などに所属していると聞きます。こうしたことも、社会に出たときにどこかで関係してくるのではないかと考えています。