うつ病Q&A
うつ病Q&A

人事部 男性
精神医療の質の問題に悩んでいます。ピンキリの世界で差があまりにも激しいと思います。下手をするととんでもない薬を飲まされて悪化させられる危険性もあります。リワークが実現しないのは精神医療の質の問題が大きいと思いますがいかがでしょうか。

大変厳しいご指摘ですが、確かに精神医療の質についてしばしば問題とされてきました。これには長い歴史があり、かつて国民にとっての重大疾患は「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「糖尿病」の4疾病で、この中に精神疾患は入っていませんでした。しかし、一生の間に精神疾患を経験する人が5人に1人という時代において、これを放置したままではいけないということで、精神疾患を加えた5疾患となったのが2011年のことです。ですから、国全体の認識もその方向に向かい、それに伴って精神医療の質も少しずつ高まっていくという期待はあります。

また、私たちも自らを律していかなければならないところですが、日本うつ病学会で最近取り組んでいる中の1つに、うつ病に関する「治療のガイドライン」の作成があります。そうしたことによって、ばらつきを少なくしていく。もう1つ、専門医制度ができれば一定の質を保って治療に当たることができますが、現在のところ、うつ病学会が医師だけの学会ではなく、看護師やコメディカル、さまざまな職種の人が参加している組織でもあり、これはまた別途検討していくことを考えています。

それから、これは、うつ病の医療に限りませんが、精神科医療は非常に低コストを求められてきた歴史があります。それを少しずつ変えていくことも重要です。例えば、医師は診療の際に、長時間、患者さんの話を聞いていますが、諸外国では医師1人でやることに限界があることが認識されています。すなわち、諸外国では1人の患者さんに対し、看護師や心理士、ケースワーカーといった人たちとチームを組んで、どういうメニューで正確な治療を進めればいいかを検討しますが、日本はまだそれが十分できていません。今後、国を挙げて取り組んでいく必要があることだろうと思っています。