うつ病Q&A
うつ病Q&A

メーカー人事部 男性
うつ病と診断され、その後良くなって復職しましたが、再び発症しました。これを3回ほど繰り返して、現在は休職中です。そのような患者に対し、精神科医の対応は、初めてうつ病を発症した人とは異なりますか。異なるのであれば、詳しく教えてください。復職判定会で判断する際の参考にしたいと思います。

初めてうつ病になった人と、繰り返す人との対応は違います。また、繰り返す時期や期間によっても違います。初めての人は、軽症のうつ状態であっても、うつ病や双極性障害(躁状態を示す波のあるタイプ)の疑いも想定し、“重め”の対応をとるべきだと考えます。

この時の休養の意味は、「緊急避難的」対応と「診断的」対応の、どちらもあります。また、職場に対しては、うつ病発症という警鐘的役割もあります。うつ病であれば、単に職場から離れた休養だけでは速やかな回復とはいきません。もし、速やかな回復があれば、それは単なる過労か職場不適応です。

初回のうつ病エピソードの人への対応としては、本人にうつ病であるという病気の理解を得ることに重点を置き、家族や場合によって職場の方へも、うつ病に対する対応などを指導します。また、初回エピソードでは、“いかに寛解を維持するか”が再発抑制や再休職防止につながるので、復職についてはよく話し合い、慎重にするべきだと考えます。

次に、再発を繰り返す場合ですが、短い期間での再発であれば、「復職が早過ぎる」か「就労環境が悪い」ことが考えられます。前者は復職前に就労可能な寛解に至っているか、主治医からの情報を得て産業医と相談、または復職判定会議などで復職時期を十分に検討するべきです。後者の場合は「職場不適応」の要素が多分に含まれているので、「職場環境を整える」「異動を考える」などの措置も必要と思われます。

ある一定期間、通常に勤務ができていたのに、半年や1年以上あけて再発した場合は、発症状況をよく観察し、交代勤務開始時、例えば、対人接触といった特定の業務の開始など、同じ環境下で再発していないかを見極めることが大切です。繰り返す様子などを鑑みて、精神科医として本人へのアドバイスや求められれば、意見書などで職場へ伝える努力をしています。

再発を繰り返される人に対しては、本人の病気に対する考え方、職場に対しての思いや態度によっても対応は変わります。自身の性格傾向から、ストレスマネジメントが適切にできずに再発しているような人には、認知療法的アプローチを行い、同じ轍を踏まないよう考え方の癖を修正するように指導します。

他に、いわゆる「現代型うつ病」に多いのですが、本人は寛解時に自信があるのにもかかわらず、自己が適性に評価されていないと職場に対して不満ばかり述べ、病気になったのは職場のせいと考えているような人には、積極的に「退職カウンセリング」を行います。というのは、本人は就労を続けることによって症状を再発する、職場は本人が不満を言うために職場環境が悪くなったり、その人がいるために人を採用できないなど、本人・職場双方にメリットがないからです。但し、職場に対して感謝の気持ちがあるけれど、こうしなければ会社が良くならないと職場と対立したりするケースは、双極性障害の躁状態になっていることも考えられますので、周囲に病前の様子を確認し、軽率な判断・行動(退職や訴訟)につながらないよう指導すると共に、治療方針も双極性障害のものへと変更します。

どの場合でも、見落としてはいけないのは「治療の継続」がきちんと行われているかです。治療の不遵守が再発のきっかけとなります。治療中断が再発を招いている場合には、治療の継続を確認していくことで休職は予防できます。復職判定の際に、産業保健スタッフや産業医との定期的な面談を条件にするのも1つだと思います。