市場は?雇用は?政策は?インフラ整備 は?統合後のASEAN像をあぶり出す

 2015年に経済共同体(AEC)の実現を目指すASEAN(10カ国で構成)は、他の経済圏に比べるとGDPの水準は低いが人口規模が大きく、旺盛なインフラ構築需要があります。生産拠点として有望であるのみならず、将来の消費市場としての魅力が大きく、企業の投資を活発化させています。
 ASEAN全体の現在の人口は約6億人と、EUの約5億人、北米自由貿易協定(NAFTA)加盟国合計の約4.5億人を凌駕します。1人当たりGDPは、自動車などの耐久消費財の普及が本格化する3000米ドルを既に突破。2025年には6000米ドル近くまで倍増すると見込まれ、さらに人口は約7億人にまで増加します。巨大経済圏の登場です。
 製造業の活発化によって農村から都市部への人口流入が生じています。都市部では、サービス業・卸売業・小売業を中心とした非製造業の進出が急増するでしょう。2020年には非製造業が製造業を逆転、ASEAN全域で営業を行う小売業・サービス業が多く登場すると予測します。
 ASEANの魅力は、潜在的な巨大経済圏であることに加え、巨大経済圏の内部の連結性を高めようとする各国政府の強い意思があることです。連結性を高め輸送インフラを整備した結果、ASEAN全体で製造業が拡大することが期待されます。既に製造業が進展している国は経済成長が著しく、今後はミャンマー、カンボジア、ラオスなどの後発国もASEAN全体のサプライチェーンの中に組み込まれ、製造業が活発になります。
 国別に分析してみましょう。タイは最低賃金を引き上げて、資本集約型産業にシフトするスタンスを示しています。税制や人材、ビジネス環境の面で優れるシンガポールは、地域統括拠点として優位にあります。フィリピンは英語圏の強みを活かし、インドと並び世界のアウトソーシング・センターとしての地位を確立しています。マレーシアは、ASEANの相対的先進国として企業の地域進出が進み、自国優良企業の多くはASEAN全体の市場で活発に活動しています。
 本レポートは、現状の産業政策、政治安定度、インフラ整備状況などを分析し、2025年までのGDP、人口動態、政治状況、産業別の成長などを予測します。ASEANの変貌を捉え、進出・投資計画立案の戦略ツールとしてご活用いただけると幸いです。

山田 聡(やまだ さとし)

新日本有限責任監査法人 新興国コンサルティング室 エグゼクティブディレクター 山田 聡(やまだ さとし)


ASEAN主要8カ国(※)の2025年までのGDP、人口動態、産業別の成長、各国が掲げる産業政策の実現性や政治の安定度、インフラ整備の進捗状況を徹底分析。投資時期、規模の決定、長期事業計画の策定に不可欠なデータが満載。

ASEANの 未来を 徹底予測

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