2025年インドは世界経済を牽引。 激化する欧米、韓国、中国の進出競争 日本企業はいつ参戦すべきか?

 2025年、インドの人口は14億1900万人となり、14億4900万人の中国とほぼ肩を並べます。現状、1人当たりの包括富は中国を含むBRICs諸国よりむしろケニアに近い低水準にあります。社会インフラや教育への投資が出遅れているのみならず、自然資源が少ないため、自然資源の輸出に頼る発展を図る新興国諸国の典型的な成長シナリオはインドには当てはまらず、特異な存在と言えるでしょう。
 それでも2012年のGDPは1兆8770億米ドル(世界11位)、購買力平価で4兆7780億米ドル(世界3位) であり、今後2017年まで6%成長、以降5%成長は可能です。この結果2025年にGDPで3兆7000億米ドル、購買力平価で9兆4000億米ドルとなり、世界GDPに占める割合は購買力平価(PPPベース)で8.8%となります。その結果、中国、米国に次ぐ3位、日本の2倍規模になると予測します。
 世界銀行が発表するビジネス環境ランキングは132位で、困難が伴う事業環境の状況は継続しています。大国の割には限られた人材と進まない教育・衛生水準の改善、未活用の天然資源、インフラの不足、非効率な政治・司法、汚職の問題など、直接投資(FDI)を抑制する要因が多いのは確かです。可能性を秘めるが、困難なビジネス環境。しかし、中国の次に世界経済の成長をけん引することは間違いありません。欧米だけでなく、韓国企業、中国企業が進出競争に参戦しています。ところが、日本企業の多くはいまだに二の足を踏んでいる状況です。
 インドへの進出はもはや「Yes or No」の検討段階ではなく、進出を前提にそのタイミングを計るというのが適切な姿勢といえるでしょう。「現地生産に貢献するインフラの整備」、「消費市場としての購買力向上」の視点に加え、「限られた提携先の早急な確保」と「アフリカ・中近東への架け橋」という観点からも、インド進出の優先順位を検討すべき時に来ているのです。本レポートを、インド進出・投資計画立案の戦略ツールとしてご活用いただけると幸いです。

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著者

中道  健太郎(なかみち  けんたろう)デロイト トーマツ ファイナンシャル アドバイザリー(株) パートナー

中道  健太郎(なかみち  けんたろう)

トロントでの監査業務、ニューヨークでの監査・評価・リスク管理業務を経て、1997年に来日。事業再生業務に従事したのち、2004年から事業会社・金融機関・商社の対外投資案件に注力。インド案件も幅広く金融、電気、通信、インフラ、資源や金属製品を含め、数多くの出資、JV設立やJV解消案件に関与。ウェスタンオンタリオ大学卒業、トロント大学MBA、CFA、FRM、CAIA、ERPなど。

斉藤暢子(さいとう  のぶこ)

斉藤暢子(さいとう  のぶこ)税理士法人トーマツインド室 マネジャー

帝羽(純子)ニルマラ(ていわ・じゅんこ・ニルマラ)

帝羽(純子)ニルマラ(ていわ・じゅんこ・ニルマラ)有限責任監査法人トーマツ インド事業マネジャー

長谷部智一郎(はせべ  ともいちろう)

長谷部智一郎(はせべ  ともいちろう)デロイト  トーマツ  ファイナンシャル  アドバイザリー(株) シニアヴァイスプレジデント(公認会計士)

植村健二(うえむら  けんじ)

植村健二(うえむら  けんじ)デロイト ムンバイ事務所 コーポレートファイナンシャルアドバイザリーヴァイスプレジデント

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