ドイツと米国が火をつけた第4次産業革命。本書では、インダストリー4.0の概念論ではなく、ドイツの現地調査を通して、日本製造業に合わせた具体的な導入論を展開。IoTとインダストリー4.0の本質を見極め、「儲かる製造業」になるための具体的な戦略と導入のポイントをわかりやすく解説します。大企業から地方の町工場まで、すべてのモノづくり企業に生き残りの指針を示す1冊です。


【儲かる製造業になるための教科書です】

■インダストリー4.0の本質をわかりやすく解説。
■日本製造業の事情に合わせた導入術を解説。
■「儲かる日本モノづくり」実現の戦略を解説。
■ドイツの戦略と米国の戦略の特徴を解説。
■中小製造業が生き残るための実践方法を解説。
■日本モノづくりの産業別の留意点を解説。

出遅れた日本。IoTでモノづくりの 「情報産業化」を急げ!

 愕然とせざるを得なかった。最近、ドイツの製造現場を視察してきたという日本の製造業関係者が口々に語る言葉に、である。曰く、「ドイツの工場は、思っていたよりもたいしたことがないな」。
 だが、2015年10月にドイツを訪問し、BMWやダイムラー、シーメンス、ボッシュといった大企業、そして製造業関連団体や政府関係機関の取り組みを視察・調査した私の見立ては全く違う。「このままでは、日本のモノづくりはドイツに追い抜かれてしまう」これが率直な感想だ。 日本の製造業の人々は、いわゆる「カイゼン」のツールとしてインダストリー4.0を捉えている節がある。工場の自動化・ロボット化による生産性の向上こそがインダストリー4.0なのだと。だから、ドイツ企業が導入している機械や設備、工程の状態などを点検し、日本の自社の工場と比べ、自らの現場より劣っている点をつぶさに指摘するのだ。
 しかし、実はその部分は本質的な問題ではない。大切なことは、ドイツがモノづくりの「グローバル・ハイウエー」の創り出そうとしているという事実である。それを支えるのが、インダストリー4.0のキーワードの一つ、「IoT(モノのインターネット)」だ。
今や、ドイツにおけるインターネット4.0の議論は、IT(情報技術)の進化を背景に当初よりも先を見据えたものに変貌しており、生産性の向上は一つの側面でしかない。製造現場のさまざまなモノがインターネットに接続され、設計情報、顧客要求情報、要素技術情報、サプライヤー情報といったさまざまな情報が組織間・産業間の壁を越えて行き交う。この新しいモノづくりの情報サイクルがグローバル・ハイウエーの姿で、インダストリー4.0の本質部分である。
 インダストリー4.0とIoTの本質を理解しなければ、日本は世界の変化に乗り遅れてしまう。世界がIoTを駆使してモノづくりのグローバル・ハイウエーを創出しようとしているのに、日本の企業はその道に乗ることすらできない。そうなれば、日本はかつてのガラケー(日本独自の携帯電話仕様)のように、モノづくりのガラパゴス状態になってしまうのではないだろうか。
 第4次産業革命の影響が及ぶ範囲は、大企業だけではない。グローバル・ハイウエーの環境を整えることによって、同じプラットフォームの上で中小企業も「私たちはこういうことができます。こんな部品、素材を提供できます」と世界に向けて発信できるようになる。つまり、「日本版インダストリー4.0」を構築する取り組みは、中小企業にとって「製造外注」から「設計外注」に脱皮し、世界に打って出る好機となり得る。

 インダストリー4.0やIoTの重要なエッセンスを理解して、それを日本のモノづくりにどう適用すべきか。そして、いかに戦略をつくるか。その「実践的な教科書」として本書を執筆した。この嵐ともいうべき変革の波に乗れなければ、日本の未来はない。

〜本書「はじめに」から抜粋〜


目次|INDEX

はじめに

第Ⅰ章 インダストリー4.0とは
1.インダストリー4.0(第4次産業革命)とは?
現実の変化
モノづくりの未来学
中小企業の復権の方法
インダストリー4.0は有効か?

2.求められる発想の転換
情報産業としてのモノづくり
エンジニアリングチェーンとサプライチェーン

3.ドイツの戦略と米国の戦略
ドイツの戦略
米国の戦略

4.出遅れた日本
日本の現状と課題
日本はインダストリー4.0をどう取り込むか
インダストリー4.0に適応しないと、日本はどうなる?

第Ⅱ章 日本の取るべき戦略と実践
5.日本の目指す道
製品の戦略的自由度を高める方法
経営者はスループットの最大化を目指せ
地政学的立地条件に注目せよ
IoT時代の政府の役割
働き方の質の変化と社会

第Ⅲ章 産業別インダストリー4.0戦略
6.産業別の留意点
自動車産業
機械産業
家電産業
素材産業・その他

第Ⅳ章 インダストリー4.0実践−データを連携する
7.インダストリー4.0時代のアーキテクチャー
IoTのレイヤー(階層)構造
IoT標準化の動き

8.マネジメントデータとオペレーショナルデータの情報連携と応用
マネジメントデータとオペレーショナルデータ
マネジメントデータ
 (1)PLMとは何か
 (2)PLMとBOMデータ
オペレーショナルデータ
 (1)データ連携
 (2)データの収集と活用
 (3)ERPとスケジューラー(計画から生産指示へ)
 (4)MESとSCADA
インダストリー4.0の進化と四つの段階別導入手順

第Ⅴ章 日本版インダストリー4.0を成功に導く三つの重要戦略
9.インダストリー4.0でマネジメントするもの
スペック・マネジメント
スループット・マネジメント
アセット・マネジメント

おわりに


著者プロフィール

山田太郎|参議院議員

著者プロフィール詳細

著者:山田太郎
四六判、ソフトカバー、224ページ
定価:本体1,800円+税
発売日:2016年4月28日
発行:日経BP社
発売:日経BPマーケティング
ISBN:978-4-8222-3987-9


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