ヒラリー・クリントン候補(60)が3月4日の「ミニチューズデー」で盛り返したことで、民主党の代表候補争いは6月7日に行われる最後の予備選(プエルトリコ)まで続くことが確実になった。
メディアは「ヒラリーの粘り腰」「意地を見せた」などと形容したが、クリントン候補が大票田のオハイオ州やテキサス州で勝ったのは、単なる執念やゆり戻しなどではない。選挙対策本部(選対)が展開した戦術が功を奏したことが大きい。
ヒラリー選対の戦術が功を奏し生き残る
最終決着は8月の民主党全国大会か
徹底した電話勧誘や戸別訪問は、表舞台に出てこないが、21世紀になったいまでも選挙戦の真骨頂といえるものだ。劣勢と伝えられたニューハンプシャー州やカリフォルニア州でクリントン候補が勝ったのも、各州で数千人規模のボランティアを投入した地道な努力が実を結んだ結果である。さらに、テレビ広告による「ネガティブ・キャンペーン」の効果も大きい。
さらにこの時期になると、選対が力を入れるのは新たな有権者の掘り起こしではなく、確実に支持者を投票所に出向かせる活動である。クリントン陣営は支持母体の女性と中高年有権者への誘導に力点を置いた。その結果、オハイオ州では投票者の59%が女性という数字が表れた。ヒラリー選対の努力が実った証拠である。
ただ選挙のウネリは今、確実にオバマ候補に向いている。同候補の2月の政治献金額は約5500万ドルで、1カ月間に集金された政治献金額としては史上最高を記録した。一方のクリントン候補は約3500万ドルで、2000万ドル(約20億円)の差はクリントン陣営にとって大きなハンディだ。過去の大統領選挙を眺めると、より多くのカネを集めた候補が優位に立つ図式があるからだ。それは現在のオバマ候補の代議員数に表れている。
それでも今年の大統領選挙は各州で混戦が続いており、オバマ候補圧勝という流れにはならない。どちらかが撤退しない限り、8月25日からコロラド州デンバーで開かれる民主党全国大会で、「特別代議員」の投じる票によって決着することになる。
共和党は11月の本選までに党内を固め、民主党打倒に精力を傾け戦略を練る
民主党が両候補による激戦を繰り広げている間、共和党の代表指名を確実にしたジョン・マケイン候補(71)は今後数カ月間、有権者の視界から姿を消すことになる。メディアの注目が民主党の2候補に注がれるためだ。それにより、ただでさえ注目度が低いマケイン候補は、夏以降の戦いでも民主党候補の勢いに押される可能性が囁かれている。
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