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エコ時代のクルマ選び

欧州から世界へとコマを進める環境ディーゼル車

では燃料電池車や水素自動車以外で「より身近な車がないのか」、という問いに対して、ぜひ注目してもらいたいのが新世代の環境ディーゼル車である。

理由は、技術革新が進んだガソリンエンジに比べも2割程度燃費に優れる点。加えてCO2の排出量が2~3割減少、電子制御による燃料噴射装置によりPMも大幅に低減されている。ディーゼルエンジンでは最も克服が難しいとされていたNOxの低減についても、日本では日産ディーゼル、海外ではメルセデス・ベンツが尿素を用いた新しい低減技術を確立している。

メルセデス・ベンツは、CO2排出の少なさで今や欧州の乗用車の半分を占めるようになった環境ディーゼル車を米国へ積極投入していく。また、より極限を狙うシトロエンは、トヨタ式ハイブリッドと欧州の新世代ディーゼルを組み合わせたディーゼル・ハイブリッドの開発を急いでいる。

それぞれの利用スタイルで決まるエコカー選び

わたしたち人類の英知は、過去に不可能としてきたものを克服してきた歴史であり、数年先のクリーンエネルギー車については不確定要素も多い。ただ現時点でのエコカー選択では自動車の利用スタイルで大きく異なる。

例えば市街地を中心とした走行環境であれば、減速エネルギーの回生能力を持つハイブリッド車が有利となるし、郊外を中心に使うのであれば低燃費化が進む小型のガソリン車が選択肢に加わる。

一方欧州では、当地の軽油価格が日本と比べて、ガソリンに対して決して競争力があるとは言えないにもかかわらず、環境ディーゼル車が市場を占拠しているのは、高速走行を中心とした利用環境にあるからだ。

今後はこれに最もエネルギー効率が高い電気自動車が加わってくるわけで、「それぞれの自動車の利用環境と相談して、複数のパワーユニットからぴったりのクルマを選ぶ」、そんな子供の頃、夢見ていた時代がもう目の前にきている。

坂上 賢治

日刊自動車新聞社を振り出しにモータージャーナリズムの世界へ。特集面主宰として材料技術・デザイン・設計・生産・販売・整備・交通・モータースポーツと幅広い領域で活動。同社・出版局に移籍後は、国内初の公式ショー雑誌「東京モーターショーガイド」、国内初の自動車環境新聞「オートリペア&リサイクル」、自動車アフターマーケットビジネス誌「月刊カードック」などの創刊編集長を歴任後、フリージャーナリストに。機械工学、ボディ補修、リサイクルなどの技術取材を背景に自動車を中核としたジャンルで活躍中。

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