

ハワイに住む日本人ママたちの間では、毎年4月ごろになると、「今年はいつ日本へ帰る」という話題でにぎやかになります。在住日本人が多いホノルル。私たちが住んでいるハワイカイ地区の小学校では、クラスに2、3人は日本語を話す子どもがいます。たいていの場合、お母さんが日本人というケース。日本語教育も活発で、土曜の日本語補習校に通わせている家族も多いのがホノルルの特徴なのです。
6月初旬ころから日本への一時帰国が始まります。日本人にしてみれば、ジメジメする時期にどうして日本へ?と思うかもしれませんが、子どもを連れてわざわざ梅雨の日本へ戻るのは、小学校体験をさせることができるからです。
昨今のハワイは州の財源不足で、昨年はフォーローディと呼ばれる追加学校休日が誕生してしまいました。予算が削られる中、年に数回あった遠足も激減してしまいました。この財源不足の前から、専門性の高い音楽や図工は教えられない先生もいるので、親や子どもがチャリティーで募金を行い、そのお金で専門の先生をお願いするというような状況です。日本の学校を知っているわが娘は、授業が充実している日本の学校をいつも恋しがっています。

わが家も6月に日本に一時帰国し、7月の2週間を日本の学校に体験入学しました。今年は一昨年、昨年に引き続き3度目の体験入学です。日本の学校を経験している娘と違って、就学前にハワイに移住してしまった息子は、昨年が全く初めての小学校体験。ほかの子どもたちが受け入れてくれるか不安でしたが、みんなやさしく学校のことを教えてくれます。
とくに女の子はあれこれと世話をやいてくれます。2年の息子のクラスでは、1年ぶりの息子を覚えていてくれ、「開くん、席はここだよ」と手招きしてくれます。朝の活動が始まる時も、「開くん、こっちこっち」と誘導してくれたりと気を配ってくれるので、親としても安心することができました。
日本語の会話には問題がないのですが、語彙が絶対的に少ない息子。毎日の漢字の宿題には苦労していました。「みんなと同じ宿題をやらなくてもいいですよ」と、先生は話してくれましたが、そこはやはり同じようにやりたい気持ちが、息子の方にあったようです。
娘は小学校最後の6年のクラスを体験。英語の授業が以前に比べて増えています。外国人の先生の話をほかの子が理解できない場合に、娘が通訳しているのを見せることにより、英語に対して、またハワイに対してみんなに親しみを持ってもらえたようです。
夏休み間近に行われた小学校のお祭りでは、娘のクラスはお化け屋敷をすることになり、放課後に準備をしたり、当日はお化けの役にもなれ、楽しい思い出になりました。

ハワイと日本を比較してみて、日本の小学校の良さは、何と言ってもメリハリがあることかと思います。国語や算数などの教科でみっちりと机に座って考えることもあれば、書道のような文化的継承も行います。理科なら実験ということで各自に磁石が渡されます(ハワイでは磁石のことは本読みで終わってしまいました)。ハワイでは家庭科がないので、娘は簡単な裁縫や料理などの家庭科の授業に興味津々の様子で、ビーズやスパンコールを用意して、クッション作りも楽しく体験できました。図工の時間は、写生もあれば、6年生では彫刻にもチャレンジできるのが日本では当たり前。でもハワイでは、教える先生がいればラッキーにも週に1度あるけれど、運が悪ければ1カ月に1度という状況です。
体育の環境もうらやましいです。1時間目が始まる前の時間に、校庭や体育館で、平均台やマット運動、ハードル跳びや跳び箱の練習ができるなんて、ハワイでは考えられない充実した時間です。こんな常夏のハワイなのに、公立小学校にはプールがありません。私たちの住んでいるハワイカイは、幸い、近くにスポーツクラブがあるので、親がお金を払い、3年生と4年生の2年間だけ、数ヶ月水泳レッスンを何とか受けられています。体育館はもちろん、日本の運動場のように広く設備の整った校庭はなく、体操着に着替えず、時々走ったり、縄跳びをしたり、ドッジボールをしたりする程度で終わってしまいます。
全体的に日本の公立小学校は、授業だけでも十分メリハリがあり、実際に手を動かして体験する授業もあり、子どもが飽きないように工夫されていると思います。

娘たちの楽しみで忘れてはならないのが、給食の時間。栄養士さんが考えたメニューを毎日とても楽しそうにしていました。例えば、7月7日の七夕の日は、ちらし寿司が出たようです。星形チーズやきらきらのり、それにこんぺいとうが使われ、ご飯の盛りつけは、「まるで天の川みたいだよ」と娘が帰りがけに笑顔で話してくれました。
多くの子どもは日本の学校体験を楽しみにしていますが、中にはハワイの学校形式に慣れてしまい、ルールが多い日本の学校に窮屈さを感じたり、漢字や日本の勉強についていくことが出来ず、年齢が上がるほど辞めてしまう子どももいます。
ただハワイで教育を受けながらも、夏に日本の教育を少しでも受けさせたい、日本の子どもと一緒に勉強や遊びを通して、日本の良さも吸収してもらいたいと思う親には絶好のチャンスであり、実に多くのハワイ在住日本人家族が、この時期日本へ里帰りをしているのです。