
イベントは、水の回廊エリアを中心に各地で行われています。淀川と大阪湾で拾われた膨大なゴミから作られた巨大な魚のオブジェがあるのがメイン会場の一つである中之島公園会場。会場内は、「つくる」「あそぶ」「みる・はなす」と五感を使って大人も子どもも楽しみながら川の魅力を堪能できるワークショップが行われています。いつやってくるか分からない舟を待ちながら、暇つぶしとして遊びが自然に発生するような会場作りが行われているのです。
100名を超えるアーティストと市民の交流、コラボレーションなども見どころのひとつになっています。アーティスト根岸和弘さんの作品は、水辺に色とりどりの風車をデコレーションし自然と人工的なものが交り合う空間を虹、風、稲妻など、3200本の風車で表現しています。水辺を風が吹き抜けると、風を目で見ることができ圧巻です。
また絶滅危惧種約250頭の動物がサファリーパークさながらに出現し、会場は不思議な空間に大変身。音を奏でる竹製の道具がいたるところに設置されていて、風が吹くとカランコロンという風情ある音が響くなど音にもこだわります。会場にある小屋は床と天井だけが作られていて、期間中に廃材を使ったワークショップが行われ壁が飾られていきます。アーティストと参加者が一緒になり会場を作っていく変化型の会場になっています。
水辺の文化座では不用になった身の回りの物をリサイクルして、何かを作り出すことがコンセプトになっていて、いつもは捨てているゴミが何か新しいものにチェンジする!と子どもたちに大人気。ペットボトルやビニールなどの廃材に工夫をすることで新たな価値を生み出す作業をアーティストと一緒に行います。
大人の私も夢中になって参加した「スキンプロジェクト」。履きつぶされたサッカーシューズやボールが、可愛いコインケースやおしゃれなビーチサンダルに生まれ変わるのです。このプロジェクトは、靴アーティスト・佐藤いちろうさんが事前に大阪府の高校のサッカーチームの学生たちに靴磨き講座を行って革靴の大切さや扱い方を指導します。その代りに使わなくなったスパイクを無料で提供してもらう仕組みです。
靴を解体・洗浄してパーツごとに分けられたシューズの皮(スキン)を使って、参加者は手作り小物やアクセサリーの作り方を習います。毎日たくさんの人が参加するそうですが、それもそのはず。靴についているソールやブランドロゴが付いているベロの部分などの履きつぶされた皮が可愛い小物に変身するなんて想像もつきません。見本の作品を見ただけで心がワクワクするほど魅力的なのです。
工程はすべて手作業で針を使って縫うのですが、ボランティアスタッフが丁寧に教えてくれるのでコインケース作りは1時間ほどで終了し、子どもも安心して参加することができます。私は約2時間かけてサンダル作りに挑戦しましたが、一針一針キリで穴をあけてしっかり縫い上げていく作業は手間もかかり大変でしたが、廃材が新しいものに生まれ変わるという喜びを感じることができました。
講座の費用は材料費を入れて300円からととても安いのですが、費用の一部はサッカーチームへ寄付され、グラウンド代や道具代などの運転資金に充てられるという仕組みになっています。履きつぶした靴とはいえ、提供する側もされる側も、さらにそれを利用して新たなものを作る参加者も大満足のプロジェクトと言えるのではないでしょうか。
毎日おもちゃが置いてあり誰でも自由に遊べる「かえっこ屋」。週末には子どもたちがいらなくなったおもちゃを持参しカエルポイントに交換。ポイントに応じ他の子どものいらなくなったおもちゃと交換できる「かえっこ大バザール」が行われています。おもちゃを持ってきていない子どものために、その場で行われているワークショップなどに参加してカエルポイントを貯めておもちゃと交換したり、オークションに参加することもできます。
生活廃材を地域活動のツールに変えて、町と人の関係を変えようと行われているプログラムが「かえるシステム」。日常生活で不用になったペットボトルやビニールなどを使って、龍やカメなど水に浮かせることができるオブジェから、かえっこを通して集まってきたおもちゃの破片を収集して素敵な飾りを作ります。会期中は会場内に飾られるオブジェですが、会期が終了した後もゴミになるのではなく商店街や空き地など各地域に飾られ地域活動に生かされるそうです。
水都2009はゴミの持ち帰りを進めています。こういったイベントでは会場内にゴミ箱が設置されているはずですが、ゴミはエコステーションとして1箇所に集約されています。燃えるゴミ、燃えないゴミ、割りばし、ペットボトル、ペットボトルのふた、汁ものなどゴミは細かく分別されていて、分別方法を間違えないようにスタッフが常にゴミ箱の前に立って教えてくれます。
スタッフによると、ゴミを一か所に集め分別することでゴミを出さないでおこうという意識が高まり、毎日出されるゴミが減ってきているそうです。最初はお祭り感覚で参加した水都大阪2009でしたが、水辺でアートイベントやワークショップ楽しみながらエコやリサイクルを体験し、物の大切さを改めて実感することができました。大人も子供も水や川の大切さを考えるきっかけになるのではないでしょうか。