スペシャルリポート

赤毛のアン・生誕100周年記念

 作者ルーシー・モード・モンゴメリーがトロントで住んでいた住居が国定史跡に指定されたり、赤毛のアンの舞台として有名なプリンス・エドワード島でも100周年記念のイベントが行われたりと、カナダでの「赤毛のアン」人気は健在です。遠く離れたバンクーバー島や、ガリアーノ島、各地域の書店などでアンの読み聞かせイベントなども行われています。

 アンが愛情を受けながら成長していく物語は世界で愛読され、各国からアンのゆかりの地をひとめ見ようと多くの観光客が訪れています。だからと言って観光地化されて現代的になってしまっている訳ではなく、今でもアンがいるのではないかと思えるほど、プリンス・エドワード島には美しい自然が残されています。

タイムスリップ?当時のアンに会いに行く

 現地で100周年祝いとして行われているイベントはたくさんあります。その中でも、まるで本の中に入り込んだような体験ができる面白いイベントを紹介します。アンの育ての親マリアとマシューがホストとなって、ディナーを振舞いバイオリンの音楽に合わせてダンスなどが行われるキッチンパーティ。当時(19世紀)の衣装を着てくる人には入場料が無料になるんだとか。

 そのほかには、トレードマークのみつ編みをほどこすもよし、パフスリーブのドレスを着るもよし、各自が抱くアンのイメージ通りに変身して参加する「アンのそっくりさんコンテスト」。優勝者にはアンのグッズがたっぷり入ったバスケットが贈呈されます。

 それ以外にも、1890年代の教科書や授業内容、アンが学んだ授業スタイルを体験できるイベント、モンゴメリーの生誕場所であるニューロンドンやゆかりの地15箇所を回るスタンプラリーイベントなど当時の雰囲気感じながら楽しめるイベントが目白押しです。

モンゴメリーを敬愛する人たちが催すイベント

 モンゴメリーが「赤毛のアン」を書いたという祖母の家で、ひ孫にあたるJohn MacNeilさんらが、モンゴメリーがどれほどこの島を愛していたかなどについて語るイベントや、親戚らが営むグリーンゲイブルズ博物館ではモンゴメリーの所有物を見ながら輝く湖水でピクニックイベント。モンゴメリーのスクラップブックを見ながら専門家と一緒にモンゴメリーの作品について語り合う会や、ミュージカルはもちろんのこと、作家と共にモンゴメリーの生涯や人柄を読み解くイベントなど、たくさんのイベントがモンゴメリーを尊敬し敬愛し続ける人たちの手によって開催されます。

 11月30日はモンゴメリーの134回目の誕生日祝いが街をあげて盛大に行われるそうで、タイムカプセルなどのイベントが行われます。

日本とプリンス・エドワード島のキルト交流

 100周年にちなんだ赤毛のアン・キルト展示会はプリンス・エドワード島政府観光局とインターナショナル・キルトウィーク横浜の共同開催です。日本とカナダのキルト愛好家に「赤毛のアン」をテーマに作品を募集し、9月にはプリンス・エドワード島でキルトが展示され、11月には横浜で展示されるなどキルトを通じてカナダと日本との文化交流が行われます。日本でのアンとキルトの人気が高いことは現地でも有名で、日本からプリンス・エドワード島へのパッチワークキルトのツアーが組まれるほどの人気です。

日本人の85%が「赤毛のアン」目的

 毎年たくさんの人が訪れるプリンス・エドワード島。昨年の6月から9月の間に島を訪れた人は約17万人に及びます。そのうち約9割がカナダ・アメリカから。北米以外からではヨーロッパと日本からの観光客が多いそうです。

 カナダとアメリカは近いため、観光客が多い理由は明らかですが、日本からもたくさんの観光客が来るという事実を観光局も把握していて、喜んでいるとのこと。プリンス・エドワード島に来てもアンの家や関連施設を訪れた人の率が平均30%という低い中で、日本人は85%の人が訪れたという結果からも日本人の赤毛のアン人気は明らかです。

 100周年を機に日本からの観光客が2倍になるのではと観光局の人が予想するほど、最近では日本人観光客が増えているようです。日本でアンに関するイベントが行われていることなども知られており、島の人たちもその人気を喜んでいます。なんだかうれしいですね。通常は1年間で100万人の観光客を見込んでいますが、モンゴメリーやアンを一緒にお祝いしようと世界各地から集まるため、今年はどれだけの人が島を訪れるのか予想がつかないようです。

日本人の85%が「赤毛のアン」目的

 カナダで人気のソーシャル・ネットワーキング・サービス「face book」。誰もが登録できるコミュニティサイトです。最近、その中で赤毛のアンのオフィシャルファンサイトが立ち上がり、現在約600人のファンが参加し、映画や本などについて意見を交換しています。

 数週間後にプリンス・エドワード島を訪れるというファンや、子どものころにどれだけ影響を受けたか、ずっとプリンス・エドワード島に行きたかった夢がかなうなどコメントを書くファンもいて、掲示板は盛り上がっています。

 中にはモンゴメリーの遠い親戚だという人まで。子どものころに見た映画や、ミュージカル、テレビシリーズやアニメの影響でファンになる人や、大人になってから映画を見て感動したという人まで、多くの世界各地にいるファンが「赤毛のアン」サイトを通じてひとつになる。

 実際にプリンス・エドワード島を訪れることができなくても一緒に100周年を祝う気持ちは同じです。私も100周年を機に映画を見直したら、子どもの時に見た印象と違う発見がありました。アンのかわいらしさや、いじらしさ、聡明さ、負けず嫌いなところもすべてが魅力的で多くの人に愛される理由を改めて実感し、恥ずかしながら感動して涙してしまいました。大人になってからあらためて映画を見るのもおすすめです。


ウェブサイト:http://www.anne2008.com/index.php

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(2008年9月5日)