イチゴの旬はいつでしょうか? クリスマス時期は価格も高いけれど、春が近づくほどお手頃に。だから、イチゴの旬は冬から春と思っていませんか?
実は、イチゴには旬がふたつあります。ひとつは、一年中で一番多く店頭で見かける「流通の旬」。これは冬から春。
でもこれは、本来の旬ではありません。いわゆる露地栽培で自然にイチゴの実がなるのは、関東から関西であれば5月から6月の初夏です。
なぜ、冬に多くイチゴが流通するようになってしまったのでしょうか。理由は簡単。気温や日照などの自然条件とは関係なく、一番売れる時期が冬だからです。「クリスマスケーキに」「家族がそろうお正月のデザートに」とイチゴのニーズが高いために、年末年始のイチゴが一年中で一番価格が高く、生産者はこの時期に合わせて作っているのです。
季節はずれのイチゴを栽培するためには、さまざまな人工的な作業が加えられています。
自然条件で実が終わる7月ころから、翌年に花になる芽が出ます。本来はここで夏がやってくるのですが、この芽を冷蔵することで冬を再現します。
9月ころになると今度はビニルをかけて春を再現。でも、温めるだけではイチゴは春だと思ってくれません。春分を過ぎると日照時間がどんどん長くなりますが、9月以降は短くなっていくからです。そこで、ビニルハウスの中で電灯をつけることで、イチゴに春を認識させるのです。
これでお膳立ては完了。イチゴは花を咲かせ11月ころに実をつけます。赤く熟す前の青い段階でイチゴを収穫。今度はそれを0℃で保存します。そして、出荷直前に温度を上げると、青い実が赤く色づくのです。
「旬ではない時期に栽培する技術は、日本が最も進んでいる」と、農業コンサルタントの中村敏樹さん。技術が発達したことで、消費者が望む時期にあわせて生産することができるようになりました。旬を外すほど価格は高くなるので、生産者の収入も高くなるという側面もあります。
また、イチゴの場合、冬の方が気温が低い分、初夏よりも日持ちするので流通しやすくなったことも技術進歩のメリットでしょう。
では、環境負荷の面ではどうでしょうか。冷蔵するにも電灯をつけて日照時間を管理するのにもエネルギーがかかります。イチゴに限らず、夏の野菜や果物を冬に作ろうとすれば、ハウスの中を暖房する必要があり、そこでは多くの場合、石油が使われています。
ショートケーキの上のイチゴや、ハンバーガーの中のトマト、刺身の下に敷く青じそは本当に一年中必要でしょうか。あるのが当たり前になってはいませんか。
旬の野菜や果物は、おいしくて栄養価が高く価格が手頃といいことばかり。でも、それだけではなく、旬がわからないと、旬からはずれた野菜や果物の環境負荷を意識することはできないでしょう。
まずは、旬を知ることから始めてみませんか。そして、不要なときは不要だと判断し、代替のものを使う。そんな行動もエコにつながる一歩です。

野菜・果物は宅配業者を利用しています。価格は高めでも、農薬や化学肥料を使わないことで生じる「手間」にお金を払っているつもりです。真冬でもあまり考えずに赤いトマトを食べていますが、いつからこんなことになったのかと思いながら、やめられません。これは消費者が望んだことなのかといつも疑問に思っています。 (エコババさん)
私自身、一生産者です。お店に並んでいるものは、収穫されたすべての作物から選りすぐられたものです。流通にのらない収穫物は価格安定のために廃棄しなければならないことも、消費者の方に知ってもらいたいです。(はなびさん)
今までは価格しか見ませんでしたが、ecomomを読むようになって、地産地消の考え方が自分にも環境にもやさしいことを知り、産地もきちんと見るようになりました。 (こけしさん)
2カ月に一度、産地直売のお店に野菜を買いに行きます。形や大きさは気にせず、無農薬、減農薬を重視しています。スーパーではお値段と相談し、なるべく国産を選びます。 (k2momさん)
野菜を選ぶときは、なるべく自然なものという基準で選んでいます。遠くの産地より近くの産地。スーパーの野菜コーナーより八百屋さん。八百屋さんより農家の直売所で買うのが、見かけは悪くても好きです。きれいすぎる野菜は不自然。露地物だけでお店が成り立つといいのに、と思います。 (結維さん)