本誌連動企画

本誌連動企画 人気料理家“あな吉”さんの「手帳術」で、主婦業はもっとラクになる●改訂版

なぜ料理家が手帳術? 主婦にこそ手帳が必要な理由とは? 浅倉さん自身の悩みから生まれた「手帳」の活用法は、なるほど納得できることばかり。夢を叶える一歩にもなりそうな「主婦のための手帳術」について伺いました。

※本コンテンツは2010年3月号の「ecomomサイト連動企画」の内容を改訂したものです

撮影=安部まゆみ

浅倉ユキ あさくら・ゆき さん
東京都杉並区で、動物性食材と甘味料、だしを使わないベジタブル料理教室「another~kitchen」を主宰する料理家。『人生が輝く、主婦のための手帳術』(ディスカバー・トゥエンティワン)『あな吉さんのゆるベジ 圧力鍋で野菜たっぷりレシピ』(河出書房新社)ほか著書多数。二女一男の母。
「浅倉ユキ(あな吉)の、ゆるベジな暮らし」
※上記サイト内には「主婦のための手帳術講座」のスケジュールも
「浅倉ユキ(あな吉)の、ゆるベジごはん」

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あな吉さんの 人生が輝く! 主婦のための手帳術

ディスカヴァー・トゥエンティワン 1365円

 卵、乳製品、砂糖などを使わないベジタブル料理の教室「another~kitchen」(アナザー・キッチン)を主宰し、教室の名前からとって“あな吉さん”の愛称で親しまれる「ゆるベジ料理家」の浅倉ユキさん。

 「ゆるベジ」の料理教室とともに「another~kitchen」の講座となった「主婦のための手帳術」は、のべ1000人が受講する人気クラスに。さらに『人生が輝く、主婦のための手帳術』(ディスカバー・トゥエンティワン)という本にもなりました。

 「なんで料理家が手帳術?」みんなが聞くその疑問に、最初は「なんで、って・・・なんで?」と聞き返してしまったくらい、自分の中では自然なことだったそうです。

 「そもそも私の得意分野は『最小限の労力で、おいしい料理を作る』料理のレシピを考えること。レシピというのは行き当たりばったりをなくし、最小限の労力で最大の効果を生むシステムなんですよね。

 手帳もそれと同じ。手帳術とは、暮らしの中のあれこれを、遠回りせず無駄なく行うために『暮らしをレシピ化』することなんです」

主婦に「仕事に集中する」贅沢はない! 閉塞感でいっぱいだった、新米主婦時代


ボリュームもある、人気の「ゆるベジ」料理。こちらは「主婦のための手帳術講座」(1人4500円)についた、ランチの一例。別途、子ども用のメニューもあり
画像提供「another~kitchen」

 独身時代は1人旅などで自由を謳歌し「学生気分が抜けないまま」結婚したという浅倉さん。ところが26歳で長女を出産後、突然はじまった主婦業はカルチャーショックの連続でした。

 「子どもを生むと、こんなに自由がなくなるの!?」「やってもやっても、家事は『ふりだし』に戻ってしまう・・・」そして「こんな暮らしを、一生続けるの!?」という“プチパニック”に襲われてしまったそう。

 そんな閉塞感を抱えながら、長女が5歳、次女が1歳になった頃から、週に1度、自宅で料理教室をはじめます。

 調理が簡単でヘルシーな野菜料理を紹介する、という内容で「子育てをしながら、好きなことを仕事にできて、いいな~!」と周囲からうらやましがられる日々。でも浅倉さん自身は「教室も家のことも、いつもパンクするんじゃないかと不安で緊張の毎日を過ごしていました」

 教室は週に1度でも、企画、レシピの決定や事前の準備、教室の告知や生徒さんとのやりとり、材料の買い出し、器の準備・・・などなど、3カ月前から当日まで、ぎっしりとやるべきことがあるのです。そして開催が毎週となれば当然、複数の講座でやることが重なってくる・・・。

 さらにその合間に、子育てと家事が入ってきます。

 掃除したすぐ後に子どもがちらかしてしまう、熱を出せば仕事はできない、保育園のお迎えから帰ってきたら、さっきのアイデアを忘れてしまった! そして、やりたいことも、やるべきこともいっぱいなのに、頭の中も家の中も、ごちゃごちゃな状態。

 「仕事に集中する贅沢は、主婦にはないんだ!」「やっぱり料理教室は無理だったのかな・・・」そんな挫折感をかみしめていました。

スケジュール化しづらい主婦業を 「見える化」して達成感を!

 当時の浅倉さんのスケジュール管理法は、カレンダー。毎日こんなに忙しくて辛いのに、なぜかカレンダーは空欄ばかり。「予定表と現実に、なぜこんなに差があるんだろう?」と気づいたのが、手帳と出合うきっかけでした。

 でも、手帳術の講座に行ったり、本を買ったりしても「何かが違う」と感じることばかり。子育てや家事は、ビジネスのように時間通りに始まってはくれないからです。

 あれこれと試行錯誤を重ね、浅倉さんが気づいたのは

主婦の仕事は、
●突発的なことの連続 ●終わりなきルーティンワーク ●締め切りがない ●効率的な流れが作りにくい

 という「四重苦」と、常に隣り合わせだということ。

 そしてこの「四重苦」の結果、「いつも何かに追われ、何かを忘れているんじゃないかという不安にかられる」という状態に陥ってしまうのです。

 「ビジネス用手帳は、効率よく何倍も働いて成功するためのもの。限られた時間をフレキシブルに使う、という主婦の目的とそもそも違います。また、予定が変動しがちな主婦の場合、TO DOリストの通りに予定を書いても『できない』ことが目立つ。これが大いにやる気を削いでしまうんです」

 そこで浅倉さんは市販の手帳をカスタマイズ。付せんやマスキングテープを駆使して、予定が動いてもすぐ対応できるように。

 「すべきことのリストは手帳にあるので、漏らしてしまうことは絶対にない。『だから、今だけのことを考えていて大丈夫』と安心すると、頭の中に、新しいアイデアを考える余裕が生まれるんです。ふと浮かんだアイデアを書き留めるのも手帳。手帳はいわば『外部記憶装置』ですね」

 自己流の手帳術でスケジュールを「見える化」したことで、浅倉さんの人生が大きく変わっていったのです。

浅倉さんの手帳を公開! 
手帳選びは「カワイイかどうか」も大切「メモリー保存の場所なので持ち歩くのが基本。カワイイものはテンションもアップするし、使い続けられるんですよ」

同じ悩みを持つ主婦の要望で 「主婦のための手帳術」がスタート

 週に4〜6本の講座を抱え、子どもの学校のPTA役員まで引き受けてしまう。当然「どうやって時間管理しているの?」と聞かれます。「手帳があるから」と答えると「見せて!教えて!」となる・・・。

 生徒さんの要望ではじまった「主婦のための手帳術」は、同じ悩みを持つ仲間たちが、浅倉さんの「ゆるベジ」ランチを楽しみながら、悩みを共有する時間になっていきました。

 「手帳を持つと、時間にしばられてしまうのでは?と心配する人もいるのですが、私の経験では、手帳がない頃のほうが、いつも何に急かされていました。今日やるべきことを整理し手帳を埋めてみると、意外に『すき間』の時間があります。

 やりたいことを整理して、10分、30分、というすき間時間に詰め込んでいく。そうすることで、新しいことにチャレンジする準備も整っていくんです」


中身は1週間ごとにこうして整理。やるべきことがひと目でわかります。 「気になる情報」「将来の夢」なんでも付せんに書いてペタペタ貼っていきます。ストレスなく動かせるのが、付せんのいいところ! マスキングテープは、収納ポケットの表面の部分に貼って携帯。必要になったらいつでも手でちぎって、メモやインディックスに活用できます。
画像提供「another~kitchen」

 浅倉さんが肌身離さず持ち歩く手帳は、A5サイズのバインダー。たくさんの手帳とのおつきあいの末に、これに落ち着きました。

 使うページだけを持ち歩けるなどの可動性や、収納ポケットのリフィルに油性ペンやUSBメモリースティックを収納できる、お気に入りの「消せるボールペン」(フリクション・ボール)を数種類持ち歩ける、などの可動性と収納も大きな理由です。

 手帳の中身は月ごとの「マンスリー」ページと週ごとで見開きになる「ウィークリー」ページのリフィルを入れ、必ず「マンスリー」ページに書いてから「ウィークリー」ページに移すというルールも作っています。

 「経験上、主婦の『やるべきこと』は1日単位でなく、1週間単位で済むことが多いので。1週間単位で見渡して『今週中にやればいい』と心の準備ができればいいかなと」

 また「穴開けパンチ」を大活用して、子どもの学校関係のプリントには穴を開けて、綴じ込んでしまいます。こうして情報を一元化。「手帳で、すべての情報がわかる」状態を保ちます。

 「TO DOリスト」は付せん。「予定が変わっても付せんを貼りかえればいいし、終わったら捨てればOK。達成感を高めたかったら、ページを決めて貼っていってもいいですね」

 達成感を持ちにくい主婦業のモチベーションアップにもつながります。


「カワイイものがあるとつい買ってしまう」というマスキングテープは、こんなふうに吊して管理。そのまま使えますし、インテリアにも

 また、デコ素材としても人気のマスキングテープも活用。手でちぎって貼れるうえに、上から文字が書ける、そしてカワイイ。セロハンテープのように切れてしまったり、シールのように跡が残ってしまわないのも、いいところ。付せんの整理やインディックスとしても活用しています。

 「使いにくいと思ったら、自分でどんどんカスタマイズして」というのも浅倉さん流。ペン用のホルダーをつけたり、カバーを作る、開かないようにホックをつけるなど。「それでも使いにくさを感じるなら、新しいものに乗り換えてOK。私もたくさんの手帳を乗り換えました」

 浅倉さんの手帳には、このほかにも書ききれないほどの工夫が。真剣に試行錯誤した上での工夫なので、ライフスタイルが違っても「なるほど!」と、思わずマネしたくなるようなポイントに満ちているのが印象的。そんな浅倉さんの例を参考に、私たちも、より使いやすい「自分だけの手帳」にしていけばいいのです。

1枚の付せんに書いた「夢」が 10年後のあなたを作る!

 「手帳術」講座を受けた人のなかに、手帳を使って夫を説得して、夢に踏み出した女性がいます。

 目標があってお金を貯めたい、だから外で働きたいと思っていたのですが、夫は「家のことがおろそかになるから」と反対をしていたそう。

 そこで彼女は手帳を使ってスケジュールを管理し、今までとは見違えるくらいテキパキと家事をこなすようになって夫を驚かせました。

 そして、手帳を見せながら「自分の夢」「今やれること」「いつかやれること」「そのためにお金が必要」「そのために働いても、まだこれだけ時間が余るから、家のことはおそろかにならない」「だから働きたい」という理路整然としたプレゼンで夫を納得させたのです。

 使い方によっては、大きな夢への1歩にもなる、主婦のための手帳術。

 毎日「なんでこんなに忙しいの!?」と感じているあなたは、取り入れてみては?


(2011年12月2日)