

住まいの購入には多額のお金が必要。そこで金融機関にお金を借りて購入し、金融機関に少しずつ返済する――これが住宅ローンですね。
住宅ローンには「現金でなら将来にしか買えないものを、先倒しで手に入れられる」という、いい面はあります。しかしローンの残債にはずっと利息がかかり続けるため、なかなか返済が終わらず、逆に将来のライフプランに悪い影響を与える恐れもあります。バランスが大事ということですね。
これを加味して、一般的に言われる自己資金(頭金)の目安は「住宅の金額の2割程度」。でも住宅ローンの手続き費用や、登記にかかる費用など、意外なお金が必要になるのも現実。住宅金額の3割程度の自己資金は用意して、1割程度の金額は予備費としてキャッシュで持っていると、あわてないですむでしょう。
もちろんその他に、半年分程度の生活費は、最低の生活資金としてキープしておきましょう。
いざ住宅ローンを組むときになって、悩みの種になるのが「金利」。金利とは、要は金融機関から借りたお金に対する「レンタル料」で、元本に対してずっとかかり続けるもの。2%、3%といった「年利」で表示され、基本的には、世の中の金利と連動して、上下しています。
返済プランで「全期間固定」を選べば、金利が上下しても最初に取り決めた金利を払えばいいので、返済のシミュレーションがしやすいといえます。逆に「変動金利」を選べば、その名の通り、変動の不安定を抱えることになります。商品によっては、一定の期間のみ固定金利で、その後は変動金利となるものもありますね。
経済の動きは誰も正確に予測できないもの。現在は市中金利が低いので、固定でも変動でもあまり差がないように思えてしまうかもしれませんが、いろいろな情報にあたり、自分で判断して決めることが大切です。
住宅ローンの情報をみていると「繰り上げ返済」という言葉を聞きます。言葉の意味とメリットを見てみましょう。
ローンを組む際には、いくらを借り、どのくらいの期間、いくらずつ返済するか、という返済プランを立てますね。でもたとえば「2000万円の借り入れがあるが、200万円まとまったお金が用意できたので、その分をまとめて(繰り上げして)返済したい」ということも、もちろん可能です。利息がかかり続ける残債が一気に減るので、利息負担も軽くなりますね。
繰り上げ返済は「月々の返済額は同額で、期間を短縮する」「月々の返済額を減らして、期間は同じ」の2種類がありますが、一般的には、前者が多いようです。手数料がかかる場合もありますので、複数のローンがある場合は特に、どれを繰り上げるのが最も効果的か比較検討することが大切です。
早めにローンを完済することは、退職後に必要となるリタイアメント・プランニングから見ても大切なのですが、必要な生活資金まで使ってしまうなどの無理は禁物。現在の生活を大切にしながら、無理なく行いたいものです。
年末が近づくと「住宅ローン控除」(正式には、住宅借入金等特別控除)の話題が上ることも多いですね。これは、その年1年に収めるべき所得税額を計算する際に、条件を満たした住宅ローンがある人については、一定額を所得税額より控除するというもの。
基礎控除や扶養控除、医療費控除は、税額がかかる「所得」から引かれる「所得控除」ですが、住宅ローン控除は計算の結果出た「所得税額」からダイレクトに引ける「税額控除」なので、より節税効果が高いのです。
住宅ローン控除は国の政策に左右されるので、入居の年によって条件が大きく変わっています。基本は「所得税のみ」の制度ですが、1999〜2006年入居の場合は所得税と住民税の税源移譲によって、また2009年度入居の場合は税制改正によって、所得税から引ききれない場合に限り、残り分を住民税からも控除することが可能になっています。
また、入居年によっては認定長期優良住宅、バリアフリー改修、省エネ改修などの優遇も行われています。
住宅ローンは長期に渡るものなので「もしも」のときのことを考えておくことも大切。もし返済ができなくなったらどうすればいいのでしょう?
リストラなどで収入が滞り、ローンの返済が厳しくなりそうなら、借りている金融機関に正直に相談する方法があります。もちろん借り入れたお金が減るわけではありませんが、返済期間や内容の見直し(リスケジュール)を行うことで、その場をしのぐ方法はあるでしょう。
お金の貸し借りは信用ですから、返済が滞ってしまってからでは、立場がどんどん不利になってしまいます。また、住宅ローン返済のために借金を重ねるのは、傷を広げてしまうだけですからお勧めできません。
不況の影響を受け、現在はこうした相談も親身に受けてくれる金融機関も増えているようです。もちろん、交渉には誠意をもって臨むことも大切でしょう。
万が一のときの予備知識も持って、ローンを上手に利用してくださいね。