

年間1939万t ――。これは2004年度の国内の食品廃棄物の総量(「食品廃棄物の現状」環境省)。つまり、製造、流通、消費の流れの中で、約2000万tという大量の食べ物が廃棄され、その7割以上がゴミとして処分されています。ちなみに、家庭ででる生ゴミももちろん、食品廃棄物に含まれていて、2000万tのうちの約半数を占めています。国内で収穫される米が年間約900万tですから、その倍以上の食品廃棄物が出ていることになります。
「食べ物をムダにしない」というもったいない精神のうえでも、ゴミ処理にかかるエネルギー削減の点からも、食品廃棄物をなんとか減らしていく必要があります。
そこで、2002年には食品廃棄物などの排出と抑食品制、そして資源等しての有効利用を促進するための「食品リサイクル法」が施行。2007年には食品関連事業者への指導監督強化と、資源の再利用を円滑にするめることを目的とした法改正も行われました。


では、具体的に食品廃棄物をどのようにリサイクルしていくのでしょうか?
その最も代表的な方法が、食品廃棄物の「肥料化・飼料化」です。
これは食品製造過程ででるキャベツの切れ端のような植物残さ、スーパーやコンビニなどで販売されている販売期限切れ商品などをリサイクルして、家畜の飼料や農作物の肥料にするというものです。
ファミリーマートでは、この5月にお弁当や総菜などの「中食」を製造する過程で出るパンの耳などの食物残さと、都内120店舗の期限切れ商品を回収し、液体飼料化。その飼料で飼育した豚の肉を使ったお弁当を、千葉県内で数量限定で販売しました。
液体飼料化によるメリットとしては、乾燥する工程を省くことにより、飼料化するためのエネルギー消費とCO2排出を抑えることができるといいます。
これらの食品循環が普及するには、肥料や飼料のもととなる食品残さの安定供給と、信頼できる技術レベルを持つ業者の数などが今後の課題となっています。

食物廃棄物の再利用としてもう一つ注目されているのが、バイオマス発電です。さまざまなリサイクル施設が集まるスーパーエコタウン(東京・大田区)では、バイオエナジー(東京・中央区)では、食品廃棄物をメタン発酵させ、バイオマス発電。生ゴミから電気と熱を作るリサイクルを行っています。
食品メーカーなどの食品製造・食品加工業者、スーパー・コンビニなどの食品卸売・小売業者、飲食店などの外食産業約700社と契約。1日100tほどの食品廃棄物を受け入れ、24000kWh(2400世帯相当分)の電気を発電します。このうち6割を売電、4割を自社で消費しているとのこと。
システムとしては、回収した食品廃棄物で固形状のものは、「破砕機」にかけて微細化、次に「選別機」で、廃プラスチックなどの不適物を取り除き、メタン発酵の原料となる廃棄物を貯留し、「メタン発酵」を行ないます。容器や袋類などの異物は、1割程度の混入であれば受け入れ可能だそうです。
バイオガス発電はCO2の排出もなく、多少の異物が混入してもリサイクルが可能なのが大きな利点となります。また、電気と熱にリサイクルされるため、安定した需要が見込めるのも強みですが、設備投資や技術の問題などもあり、まだまだごく一部で稼働しているのにすぎません。


食品廃棄物のリサイクルはまだ始まったばかり。まだまだ圧倒的に焼却処分されているものが多いのが現状です。今後、これらの食品リサイクルを進めていくうえでは、分別や管理、高度な技術、コストなど多くのハードルがありますが、社会全体で取り組んでいくべき問題なのです。
また、食品廃棄物の半分を出している消費者としては、「生ゴミをなるべく出さず、食べ残しをしない」「生ゴミの水分をしっかり切って分別する」など、基本的な心がけを大切にして、少しでも食べ物のゴミを減らし、リサイクルしやすくなることを心がけたいですね。