
取材・文=阿部祐子/ファイナンシャル・プランナー(CFP®認定者)

死亡への備え(生命保険)に比べて医療の保障は額も比較的小さいことが多く、公的な制度も充実しています。例えば1カ月100万円の医療費(差額ベッド代などを除く保険診療内のもの)がかかったとしても、「高額療養費制度」によって、自己負担額は約8万7000円に抑えられます(※70歳未満の、通常の所得の人の場合。上位所得者や住民税非課税世帯は、金額が異なります)。
サラリーマンや公務員の場合、病気やケガで働けないとき、「傷病(しょうびょう)手当金」によって、休職している間も収入の2/3程度が確保できる場合もあります(国民健康保険には、この制度はありません)。
こうした公的な健康保険によるサポートや、わが家の貯蓄額を考慮した上で、「実際にどのくらい経済的に困るか」を考えましょう。全額を保険で賄おうとすると保険料が高額になってしまうので、不足分を民間の医療保険でサポートするのが賢い備え方です。
医療保険とは病気やケガでの入院、所定の手術を受けた場合に給付(保険金)が受け取れる、独立した保険。医療中心の保障であるため、死亡保険金は少額か0円にして、保険料を抑えている商品もあります。
そのほかに、生命保険などの「特約」として、また妻が夫の保険の「家族特約」で医療の保障を付けていることもあるでしょう。でもこの場合、主契約を解約すると特約が消滅してしまう、「特約は85歳まで」など年齢の上限が決まっている、ということがあるので、保険証券などでもう一度確認してみてください。
超高齢化社会の今、保障は「終身」を確保しておくのがベター。妻も夫も、自分名義で単体の医療保険に入っておくと、見直しなどもシンプルになります。
保険タイプの「定期型」と「終身型」。定期型は若い頃には保険料が安く、更新期間ごとに保険料がアップしていきます。終身型は生涯通じて保険料が一律。終身払い続ける方法のほかに、60歳や65歳までに保険料を払いこんでしまい、保障は一生涯確保する「払済(はらいずみ)」が選べる場合も。
保険はどれも合理的に設計されているので、注目すべきは商品の内容のほうで、支払方法の選び方は個人の事情に合わせて大丈夫。「経済的に厳しい今は、保険料が安いほうがいい」といった選択や「新しい商品にどんどん乗り換えるつもりなので、今はとりあえず安い保険料のものを」といった考え方、逆に「老後の経済的負担を減らして安心したいから、60歳、65歳で払済になるものを選ぶ」といった、価値観を重視して選びましょう。
「入院1日あたりの給付金」の額。これも貯蓄額や、加入している公的な健康保険に「傷病手当金」があるか、といったことに左右されます。
高額療養費制度を使った場合の自己負担額は、月額8万円台。「会社員だし、ある程度は預貯金で賄える」のであれば入院1日あたり5000円といった少額の保障でもいいでしょうし、「国民健康保険加入者なので傷病手当金がない」「公的保険の診療外の差額ベッドを利用したい」といったケースなら、1万〜1万5000円程度と、厚く備えておく方法もあります。
最近は「日帰り入院から入院給付金が出る」商品も増えていますが、これも「超短期から備えたい」のか「経済的に本当に困る長期入院に備えたい」かで選ぶポイントも違ってきます。また国の医療費抑制のため「平均在院日数」は年々減少しています。厚生労働省ほかの統計資料などもチェックしてみましょう。
保障の手厚さと、支払う保険料は比例します。「どこまでを預貯金で、どこからを保険に頼るか」を自分の中で決めていきましょう。
がん、生活習慣病、女性特有の病気に手厚く備える医療保険も人気です。ただこうした病気の場合も、「保険診療内の診療であれば、高額療養費制度が使える」ことをまず思い出しましょう。
家系に特有の病気が多いのであれば、先に保険で備えておく方法もありますし「何となく心配」という不安の解消のために加入する方法も。でも選ぶ際には商品内容をよく見て「通常の医療保険に比べて何が手厚いのか」「どういう疾病のとき、どんな状態のときに保障されるのか」をイメージすることが大切です。

従来の医療保険「EVER」を進化させた新しい医療保険。公的健康保険が適用になる手術であれば、原則支払い対象にする手術保障対象の明確化と、従来約款で定めていた保険範囲88項目(約500種類)を約1000種類にまで拡大。
増加傾向にある「通院保障」を組み込んだ「スタンダードプラン」は手軽な保険料を実現。「先進医療保障」や「三大疾病保障」など、特約のラインナップも充実している。
シンプルな保障を求める人には、通院特約を付加しない「ベースプラン」もある。
日帰り入院より保障、支払限度額は1入院60日、通算1095日まで。
保険料支払い方法は、定額タイプ(終身払い)、60歳半額タイプ、60歳払済タイプの3種類から選べる。
「新EVER」「スタンダードプラン」(入院1日あたり5000円)定額タイプ(終身払い)の月払い保険料
30歳 男性 2015円 女性 2060円
35歳 男性 2289円 女性 2186円
40歳 男性 2656円 女性 2393円
詳しい商品情報は
http://www.aflac.co.jp/iryo/ever/

2009年6月に登場。全4タイプの中の「総合保障タイプ」は、病気やケガで入院したときの入院保障と手術保障の「基本保障」をベースに、死亡保障、先進医療保障、がん保障、6つの生活習慣病保障の4つのオプションを加えて自分に適した医療保険が作れる。
日帰り入院より保障、支払限度額は1入院60日、通算1095日まで。
「やさしくそなえる医療保険」(入院1日あたり5000円)の月払い保険料
30歳 男性 1685円 女性 1645円
35歳 男性 1920円 女性 1750円
40歳 男性 2240円 女性 1930円
詳しい商品情報は
http://www.alicojapan.com/

2009年6月より保障内容が新しくなった医療保険。日帰り入院より保障、支払限度額は1入院60日(7大生活習慣病の場合120日)、通算1000日までの保障に加えて、厚生労働大臣の定める「先進医療」での治療の実費を「先進医療給付金」として、通算1000万円まで支払い。また不慮の事故や病気による約款所定の高度障害になった場合、以後の保険料支払いが免除され、保障は継続する。
保険料支払い方法は、終身払い、60歳・65歳払済タイプから選択。
医療保険CURE 基本プラン(入院1日あたり5000円) 終身払コース の月払い保険料
30歳 男性 1750円 女性 1700円
35歳 男性 2035円 女性 1835円
40歳 男性 2390円 女性 2070円
詳しい商品情報は
http://www.679250.com

ガン以外の病気とケガの基本保障に加え、治療費が高額になりがちなガンを手厚く保障する医療保険。
ガン以外の病気とケガは、日帰り入院より保障、支払限度額は1入院60日、通算1095日。ガンで入院したときは、1日あたりの入院給付金が通常の2倍になり、さらに日帰り入院から、期間の上限なし(無制限)で保障される。
保障を充実させた「SUREスマートフィット」「SUREワイド」も。
保険料支払い方法はいずれも終身払いで、「SUREベーシック」の保険料は「一生涯固定」、「SUREスマートフィット」の保険料は「60歳以降半額」、「SUREワイド」の保険料は「一生涯固定」と「60歳以降半額」から選択。
SUREベーシック (入院1日あたり5000円) 終身払コース の月払い保険料
30歳 男性 1950円 女性 1850円
35歳 男性 2300円 女性 2050円
40歳 男性 2750円 女性 2500円
詳しい商品情報は
http://www.sonysonpo.co.jp/prod/med/