本誌連動企画

ホームクリーニング基本テク 取材・文|小口ちひろ イラスト|マツバラマサヒロ

エコマム12月号でお届けした「冬もの衣類のお手入れ術」は読んで頂けましたか? 衣類をグンと長持ちさせる、洗わないお手入れについてご紹介しました。しかし、どんなにこまめにお手入れをしていても、「洗うとき」は必ず訪れます。そんなときに役立つ、ホームクリーニングの基本テクを花王・生活者研究センターの深井尚子さんに教えていただきました。
◆お洗濯前の準備をしよう!
 洗濯前に必ず行うのが、衣類のタグに描かれた絵表示の確認です。家庭で洗えるのか、洗えないのかを確認しましょう。「洗えない」と表示されたものでも、素材によってホームクリーニング可能なものがあります。
洗えるもの
洗濯機・手洗い可マークのついたもの
水洗い不可マークでも綿やポリエステル、ナイロン、アクリルは洗濯可能です。ウールや麻、ポリウレタンは縮みや色落ちがあるので注意して洗います。ただし、素材が洗えるものでも、芯地を使った衣類(コートやジャケット、スーツ、ネクタイなど)や加工衣類(シワ加工、エンボス加工、ちりめんなど)、刺しゅうしたものや和服は家庭では洗うことができません。
洗えないもの
水洗い不可マークで絹やレーヨン、キュプラ、アセテートなどの製品や混紡製品、革製品は基本的に洗えません。
注意
ドライマークは「ドライクリーニングができる」という意味であり、「ドライクリーニングに出さなければいけない」という意味ではありません。
洗濯機・手洗い可マークがついていれば、ドライでも家で洗濯できます。
◆大切な衣類こそ、前処理が大事
 初めて洗濯する衣類なら、色落ちしないかチェックします。中性洗剤の原液を、目立たないところに少量つけて5分ほど放置。白い布で押さえて、色がつかなければ色落ちしません。色落ちするなら、他の衣類とは別に洗いましょう。
 シミや汚れがひどい部分は、事前に洗剤をつけておくと汚れが落ちやすくなります。袖や襟など汚れやすい部分が外側にくるように畳んで、洗濯ネットに入れれば前処理完了です。
 洗濯ネットは衣類にあったサイズを選びます。ネット1枚に入れるのは、衣類1枚まで。何枚も入れると、洗剤が行き渡らず汚れ落ちが悪くなります。また、目の粗いネットは洗剤が行き渡り、目の細かいネットは、ほかの衣類の糸くずが付着するのを防げます。
注意
カーディガンなどボタンやファスナーがついた衣類は、全てのボタンを留めておくと、衣類の型崩れを防げます。またビーズやスパンコールなど装飾がある場合は、裏返して洗うのも一案です。ストールなどフリンジ付のものは、フリンジが内側にくるように畳んでおきましょう。
◆水温に注意して、洗濯機で洗うのがベスト
 特にウールは縮みやすいので、30度以下の水でやさしく洗うのが基本です。ウールは高温のお湯につけると縮みの原因になるのでお風呂の残り湯を使うときは注意を。「冷たい」と感じるくらいの水を利用します。
 洗濯機に「手洗いコース」や「ドライコース」があるなら、洗濯機にお任せがベスト。手洗いでゴシゴシ洗うくらいなら、洗濯機で洗った方がずっとやさしく洗うことができます。
 手洗いは「押し洗い」が基本で、もんだり、こすったりは厳禁です。水に中性洗剤を溶かし、衣類を入れて「やさしく押す」「浮かせる」「また押す」を20~30回繰り返し、洗濯機で30秒ほど脱水後、水を替えてすすぎます。このときも「押し洗い」と同じ要領で10~15回押して行います。再度水を替えてすすぎ、柔軟剤を入れましょう。最後に洗濯機で15~30秒脱水すれば洗濯完了です。
水洗い不可だけど洗える衣類は、より一層やさしく洗わなければなりません。洗濯機にお任せするなら、「ドライコース」でOKですが、手洗いなら「つけ込み洗い」にします。洗面器に洗濯液をつくり、衣類を入れて15分ほど放置。このとき、衣類を決して触らないのがポイントです。その後洗濯機へ入れて15~30秒脱水。水に沈めてすすぎをし、再度脱水。もう一度すすぎますが、このときに柔軟剤を入れます。すすぎの時も、衣類には触らずつけ込んだままにします。最後に15~30秒脱水して完了です。
注意
衣類を入れてから洗剤を投入するのではなく、水に洗剤を溶かしてから衣類を沈めるのが基本です。また洗剤の量を増やしたり、つけこむ時間を長くしたからといって汚れ落ちがよくなるわけではありません。衣類を傷める原因にもなるので、洗剤の量やつけ込み時間は必ず守りましょう。
帽子を洗う時は、帽子のサイズに合うザルを使うと型崩れが防げます。事前に、内側の汚れた部分に洗剤をつけてなじませ、ザルにかぶせて洗濯液に沈めたら、洗濯ブラシなどでやさしくこすって洗いましょう。すすぎも、ザルにかぶせたまま2~3回行います。軽く水気を切ったら、ザルにかぶせたまま陰干しします。
◆仕上がりは、干し方で決まる
 干すときは、伸びたり型崩れをおこさないよう整えてから干しましょう。手のひらで軽くプレスし、フリルなどは優しく伸ばして広げてから陰干します。伸びやすい衣類は平干しが基本ですが、専用の台が無い場合は、ピンチハンガーの上に広げると便利です。薄手のニットなら、厚手のハンガーや物干し竿に干しても大丈夫。袖が伸びることがあるので、袖は竿の上にひっかけて干しましょう。
注意
男性用のニットやローゲージニットは、重量もあり伸びやすい編み方なので、平干しを厳守してください。

◆取材協力
花王株式会社 http://www.kao.co.jp/
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