本誌連動企画

少しのコツですっきり暮らす

 お客さまをお迎えするとき、「隅々まで掃除できているかな?」「インテリアは片づいているかしら」なんて不安がよぎることはありませんか? 今回は、そんな不安を解消するポイントをご紹介します。日本文化を代表する“すっきり”空間・お茶室を手本に、掃除と飾り付けのポイントを茶道会館の北見宗幸先生に教えていただきました。
インテリアは「少ないモノを定位置に」が基本
お茶室のしつらい(家具や飾りつけ)は、床の間の掛け軸とお花、そしてお茶を点てる道具のみ。モノの少なさが、お茶室をすっきりと見せている最大の理由です。また、お花を飾るなら、花柄の茶碗は使わないなど、同じモノが重ならないように注意します。茶道では、お客さまをお迎えするたびにしつらいを入れ替えますが、これを家庭で実践するには難しいかもしれません。でも大掃除の時など、一度しつらいを全て部屋の外へ出してみてはいかがでしょう? 知らぬ間にたまった不要なモノを処分する、いい機会になると思います。
掃除にはテクニックが必要
お茶室の掃除は「はたく・掃く・拭く」という3つの手順で成り立っています。効率よく正しく進めることで、掃除機や洗剤を使わなくとも、部屋を十分清めることができるのです。最近は様々な掃除道具がありますが、モップタイプのハタキは障子のサンなどに引っかかる心配があるので、布タイプがオススメです。箒は、柄の長いタイプが姿勢良く掃除できてラクでしょう。雑巾は清潔なものを用意します。
部屋中の窓を開け、しつらいを全て外へ運び出したら、さぁ掃除開始です!
ハタキ掃除(場所:障子のサン、襖のサン、照明)
はたきは、高い所から低い所へ向かって進めます。一定のリズムを守ると、布がよく動き埃も落とせます。ただし、力が強すぎると障子が破れたり壁を傷めるので要注意です。
掃き掃除
掃き掃除は、位の高い場所から低い場所へ向かって進めます(順路は表を参照)。掃くときは、後ろに下がりながら畳の目に沿って箒を動かします。畳と畳の間の隙間も、ヘリに沿って箒を動かし、掻き出すように掃きましょう。最後は中央の畳でチリを集めて完了です。
箒で掃く順序
拭き掃除(順序:障子のサン→床の間の前端→襖の縁と引手→畳)
雑巾は2枚用意します。両手に一枚ずつ持ち、片方で拭いてもう片方で汚れを受け止めましょう。繊細な木材で作られた障子のサンは、木目に沿って乾拭きし、それ以外の場所は固く絞った濡れ雑巾で拭きます。畳の拭き掃除は、掃き掃除と同じ順路です。左右の雑巾はそれぞれ畳のヘリに置き、畳の目に沿って右手を大きく動かしながら拭き進めます。誤って畳の目に逆らうと、畳の目の中に汚れが入り込んで、よけいに畳を汚してしまいます。左手の雑巾は、右手に溜まった埃を受け止めるように使いましょう。さらに乾拭きをすれば、もっとも丁寧な掃除と言えます。
仕上げのポイント
ひととおり掃除が終了したら、色の濃いところを再確認。漆塗りの箇所や畳のヘリは、案外ホコリが目立ちやすいものです。またお客様の席に座り、目線が届く場所(襖の引手など)を確認することも重要です。お花を飾るなら、霧吹きで水分補給し葉についた水滴で瑞々しさを演出。最後に、しつらいを戻して完了です。茶道では、掃除=洗心と言われています。部屋のチリは心のチリと考え、自分の心を掃除するつもりで部屋の中を清めましょう。
(文:小口ちひろ、写真:今井真知子)