国際森林年 2011

INTERNATIONAL YEAR OF FORESTS 2011国際森林年について

森で考える 水×森×エネルギーのこと

Think the Earth プロジェクト“みずのがっこう” 開催レポート

環境や社会の問題を地球規模で感じ、考え、行動するきっかけづくりを行っている Think the Earthプロジェクト。 企業やクリエイターとコラボレーションしながら、商品・サービスの開発やキャンペーンを実施しています。2009年からは、地球全体をキャンパスに、「水」をテーマに人・モノ・アイデアが集うバーチャルな学校、「みずのがっこう」を開講しています。

8月27-28日に開催された「ワークショップ|森で考える水×森×エネルギーのこと」の活動を覗いてきました。


開催概要

日時 2011年8月27日(土)~28日(日)
先生 森の先生:大西義治さん(NPO法人森の蘇り代表)
エネルギーの先生:原亮弘さん(おひさま進歩エネルギー株式会社代表)
水の先生:橋本淳司さん(水ジャーナリスト・みずのがっこう副校長)
先生のプロフィールはこちら
場所 静岡県富士宮市
ねらい
  • 放置された人工林を、「皮むき間伐」という地元に昔から伝わる手法でお手入れする
  • 間伐する前と後の森を見比べ、間伐した木材を「エネルギー源」として有効利用する方法を聞く
  • 森から水が湧き出し、潤した川で遊ぶ! みんなで森と親しむ暮らしについて語り合う!

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---日本は古くから奥山には手をつけず、人家に近い里山を持続可能に保ち、活用してきました。戦後は木材利用を更に促すため、1960年代まであった自然林を伐採し、杉や檜を植えました。ところが、50年以上経った今でも、人工的に植えられた木々は放置されたまま使われていない森が多く残っています。人工林は定期的に間伐をしないと、太陽光が遮られ、荒れてしまい、植物がうまく育たなかったり、大雨のとき土砂崩れが起きやすくなったりしてバランスが崩れます。日本一の山、富士山も檜の宝庫ですが、その山を構成する森も手入れのされていない=間伐の進んでいない人工林が多く残っています。
(みずのがっこう案内より 一部要約)

実習前のレクチャー

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水と森の関係、水とエネルギーの関係、森とエネルギーの関係について水、森、エネルギーそれぞれの専門の先生からレクチャーを受けてディスカッションしました。

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◆ 水の先生のお話 ◆ 橋本淳司さん みずのがっこう 副校長

「水は人々が生きていく上でとても大切な資源ですが、水だけあっても暮らしていくことはできません。水が生みだすエネルギー、或いはエネルギーによって作られる水、森を経由して届く水、森を育てる水、それぞれに関係し合っています。」

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◆ エネルギーのお話 ◆原 亮弘さん おひさま進歩エネルギー(株)
おひさまグリッド(株)代表取締役社長

「『太陽光発電』と『省エネ』の2つの事業に対して市民出資の『南信州おひさまファンド』を立ち上げました。 出資されたファンドは太陽光始め、自然エネルギーを地域ぐるみで創る活動に役立てられ、得られた収益は 分配金の形で出資者に配当されます。一人では導入が難しい太陽光発電も市民の方達が共同で出資することで 実現しやすくなるので、注目されています。」

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◆ 森のお話 ◆大西義治さん
NPO法人 森の蘇り 理事長 皮むき間伐の推進者

「日本では国土の70%近くの森林率を誇りながら森林自給率はわずか20%。多くの森は木材として利用されずに荒れていく一方で、他国から木材を輸入し、他国の森林破壊に加担してしまっている。森を手入れし、間伐材を有効利用していくことで、日本の森は生き返り、世界の森林破壊に歯止めをかけることにつながります。
“きらめ樹“は木を切り倒すのではなく、皮をむく間伐です。大きな力もいらないのでお子さんや女性も気軽に参加できます。皮を向いた後、つるんとした木々が広がる光景は壮観。ぜひ多くの人に味わってほしいですね。」

いよいよ実習です

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表土の流れ出した森倒れたヒノキの根元に穴が開き、そこに雨水が溜まり、水の通り道になります。
そこから表土が削り取られ、最後には富士山の火山灰が積もってできた硬い層が顔を出しています。(茶色の部分)

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皮むき間伐の実習 ①木の高さ、太さ、木々どうしの混み具合から、間伐する木を決めたら、根元にのこで切り込みを入れます。

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皮むき間伐の実習 ② 竹べらで皮をはぎ起こします。

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皮むき間伐の実習 ③ ある程度皮が浮いてきたらあとは人の手で 一気に皮をはがしていきます。

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皮むき間伐の実習 ④ いっせいに周囲の皮をむくとタコの足みたい…
うまく行くと木のてっぺんまでむけていきます。

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皮むき間伐の実習 ⑤ 間伐する木の皮をむき終わった状態。
1年半ほどこのままにしておくと、 人工乾燥しなくても、含水率20パーセント前後になり、 切り倒した後、そのまま材として利用が可能になります。

※通常の木材は、四角く切って中心部を使いますが、皮むき間伐をした後の木は、すでに皮がむかれているので、ほぼ100%そのまま木材として活用が可能です。

取材メモ

すがすがしく気持ちの良い森の中で、鳥のさえずり、風の音を聴きながら、私たちが生きている現在よりもずっと昔から存在している森、水のこと、それらが生み出すエネルギーのことを感じ、考え、行動するワークショップは心も体もフル稼働。でも疲れより癒された感の方が強かったのは自然の力、先生方の魅力のなせる技なのでしょう。 間伐されている森なのかな?と思っていたところが、実はやせ細って下草さえも生えない死んだ森なのだと知ったり、自分の背より高い木の高さを図るのに、中学高校以来、すっかり使わなかった三角比の計算方法がさり気なく利用されていたり、驚き、発見の連続でした。

水を使うために必要なエネルギーは、地域でファンドを出し合って、共同で創る、使うという考え方や、木の皮を向くスタイルの間伐体験など、環境問題解決への新たなアプローチ方法を具体的に学べ、実り多い体験でした。Think the Earthのみなさん、みずのがっこうの先生方、ありがとうございました。ecomom読者のみなさんを対象にした体験イベントも企画中ですので、お楽しみに。

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