
「すいかを真っ二つに切って、独り占めして食べてみたい」。そんな風に思ったことはありませんか? 夏の暑いときに、冷えたすいかを食べると、渇いた体が落ち着いて、本当においしく感じます。北京に留学していたころ、夏になると、すいか売りの出店が楽しみでした。
トラックにすいかを山のように積んでやってきて、道のそばの空き地にテントをはり、そこですいか売りたちは、道行く人にすいかを薦めます。
「甘いすいか、保証します」と書いた看板の下で数100個のすいかが転がっていて、それは壮観です。仕事帰りに買って持ち帰るお父さん、ジュース代わりに買ってその場で食べしまうグループなど、夏中、ひっきりなしに人が立ち寄っていきます。
私も、すいかを独り占めして食べたくて、買って帰っては、半分に切ったすいかを贅沢にスプーンですくって楽しみました。
食べ終わったすいかの皮を捨てると、中国人の同級生が、「すいかは食べきった後も、使えるのよ」と言います。どうやって使うのかを聞くと、「白い部分を薄く切ってスープにするのよ。甘いところよりずっと薬効があるのよ」とのこと。
「すいかの白い部分」を食べると聞いたときは、まずそう〜。と思ったのですが、実際に作ってもらって食べるとやさしい味で、たくさん食べられます。暑さで火照った体がすーっと癒されて、疲れが取れるような感じがしました。
すいかは、薬膳では夏に使われる薬効の多彩な食材です。夏に発汗で奪われやすい体液を補い、のどの渇きを潤し、熱中症や日射病などの熱の症状から体を守ります。
漢方のひとつに、発熱を伴う感染性の熱病にとてもよく効く白虎湯(びゃっことう)という処方がありますが、すいかは「天然の白虎湯」と呼ばれるほどに、熱を鎮める効果があります。
また、水分代謝を高めて、利尿させ、夏におきやすいむくみを取ってくれる働きもあります。この効果は赤い実の部分よりも皮近くの白い部分の方が強いのです。
西瓜糖という漢方薬は、すいかを煮詰めて作ったもので、むくみを取ったり、水分代謝異常から起こる毒素を排出するので、夏に湿疹やあせもがよく出る人にも効果があります。
先日、すいかの白い部分を使ったスープを料理講習で作りました。講習では甘い果実ではなく、皮に近い白い部分が主役。「このすいか、実ばかり多くて、皮が少ないですね〜」とか「先生、身の部分は、今日はどうしましか?」なんて、すいかにとっては、思いがけないコメントが続出です。
皮の部分をこそげとって、薄くスライスし、豚肉スライスと煮てつるんとした食感のスープが出来上がりました。おいしいのはもちろん、翌日、むくみがとれたという方も。やはり、すいかの皮の薬効がうまく出たようです。
すいかを食べると出る大量の皮を使うことができれば、エコにもつながるし、いいことばかり。そんな風に思っていると、生徒さんからメールが届きました。
「講習ですいかのスープを教わって以来、すいかの皮を捨てるのに、罪悪感を感じるようになってしまいました」
今まで、気軽に捨てられていたすいかの皮もそんな風に言ってもらって本望かも・・・。
薬膳のオリジナルレシピは豚のスープストックを使いますが、日本人向けにかつおだしにアレンジしてあります。鶏がらスープと鶏肉でもアレンジできますので、気軽にお試しくださいね。

材料(4人分)
すいかの皮(白い部分を中心に) 100g
豚肉(細切れ) 100g
片栗粉 大さじ2
かつお節 20g
昆布 1枚
酒 大さじ1
塩 小さじ1/3
おろししょうが 1かけ分
ねぎ 適宜
作り方
漢方キッチン http://kanpokitchen.com
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