今週のコラム エッセイスト金子由紀子の風を感じる暮らし

5月30日 UP DATE

第33回 願いがかなって、家が片付く!? 梅雨もいいもんだ


 今年は雨が多いせいか、先日、九州・沖縄地方が梅雨入りしたと聞いても、何だかピンと来ませんでした。雨ふり続きは、どうしても気が滅入りますよね。

 洗濯物は来る日も来る日も部屋干しだし、布団は干せないし、買い物だって億劫になりがち。でも、だからといって、

 「梅雨どきは何もできな〜い」

 なんてことはありません。むしろ、行動が制限されることで、いつもよりいろいろなことができるものなんです。そのためには、「雨が降ったときのためにやることネタ帖」を作っておくといいでしょう。

 たとえば、家族で出かける場合のために、「あまり遠くなくて」「なるべく低料金で」「子どもが楽しめる」屋内施設を、いくつかピックアップしておきます。博物館や企業のショールームのようなところが候補になります。行ったことのないスポットを優先すれば、新たな発見があるかもしれません。

♪囲碁や百人一首も雨だからこそ

 雨が強くて、いよいよ出かけられなくなったときに、子どもと一緒に家でやることも、同時に考えておきます。「落語のDVDを見る」「囲碁を教える」「お菓子作りをやらせる」「百人一首をみんなでやる」などです。なんとなく、「そのうちやらせてやろう」なんて思いつつ、面倒で後回しにしていることを、この際やらせてやると、けっこう喜ぶみたい。

 また、外に出られない事態を逆手にとって、家の中を思い切り片付けるのもおすすめです。こういうものは、やり始めると勢いがついて、止まらなくなるものです。いつかやろうと思っていたあの押入れや収納スペースを、ひっくり返しながら片付け始めると、案外すぐに終わってしまうことに驚くかもしれません。写真・手紙・領収書・子供の作品など、たまっているものの整理も同様です。雨が続いたら、気がつくと、家中きちんと・サッパリしていた…なんていうことになるかもしれませんよ!

♪わずかな食材こそ料理の腕の見せ所

 買い物が億劫になると、次第に食材が底をついてきます。しかし、ここが料理の腕の見せ所。冷蔵庫に残るわずかな食材と、食品庫に常備してある乾物や粉類を組み合わせて、どれだけバリエーションのある料理が作れるか、ある意味、自分との勝負です。これが、意外に楽しい! ない中から、いかにおいしいものを作り出せるか、という試みは、自分の中のクリエイティビティを育ててくれると思います。ちなみに参考図書として、『土を喰ふ日々』(水上勉)をおすすめします。

 「梅雨だからムリ」

 「雨だからできない」

 と思ってしまうと、ただ憂鬱な日々になってしまいますが、

 「雨が降っているから、コレをやってみよう!」

 という「ネタ」をたくさん持っていると、なかなか有意義な日々が過ごせます。そう、梅雨だって大切な1年の数週間。楽しまなければもったいないですよね!

 さて、1年5ヶ月にわたって連載させていただいた本コラムですが、今回をもって最終回です。長い間、ご愛読いただきありがとうございました!


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