今週のコラム おばあちゃんのエプロンメモ

3月7日 UP DATE

第114回 積み木にもユニバーサルデザイン


 インターネットと物流の進歩のおかげで、いまや日本の子どもたちも世界中のおもちゃが手に入るようですね。

 私は別に、無条件な輸入品礼賛者ではないのですが、ことおもちゃにまつわるデザインについては、日本よりも欧米の方が一歩先を行っていると思います。子どもだからといって、安易にチープなものを与えない。そこに一つの教育に対する見識を見る思いです。

♪おもちゃこそいいデザインを

 デザインセンスは子どもの頃にどんなものを与えられるかで大きな影響を受けるように思います。特に、就学前の子どもに親が与えるおもちゃは、子どもの創造性を刺激するようないいデザインのものを与えたいものです。

 毎日、遊びの中で親しんだ色、形は、無意識のうちに子どもの成長に影響を与えるものではないでしょうか?

 今、親となっている私たちの世代が与えられたものといえば、氾濫するけばけばしい色のプラスチックがほとんど。大人になってから木製の美しいおもちゃを見て「こんなのが欲しかった」と心からうらやむのは私ばかりではないはずです。

♪決して安くない価格

 そんなおもちゃの大人買いを誘う代表格がスイスのネフ社の積み木です。1962年に家具職人だったクルト・ネフ氏がスイスで創業した同社は、従業員40人ほどの小さな会社です。しかし、そこで作られる積木の美しさと品質の高さは、世界最高水準です。

 ネフ社の積み木は決して安いものではありません。様々ないろのキューブに円筒形の積み木を組み合わせた「リグノ」は、2万円近く、L字型の積み木をバランスゲームのように組み合わせて遊ぶ「アングーラ」は、2万5000円前後します。

 しかし、実物を手にとった人は誰でもこの値段に納得せざるを得ないのではないかと思うのです。

♪究極まで妥協を拝した色、形

 ネフの積み木は、2.5cmという基尺に基づいて、実に正確に作られています。どの積み木を積んでも、ピタリとバランスが取れる技術力は相当なものです。

 色のグラデーションも、ネフ独自のカラーパレットに基づいて作られており、種類の違う積み木を積んでも美しいグラデーションを楽しめます。ネフ社のサイトには、商品のユーザーとして、3カ月から100歳以上までと書いてあります。

 人間の根源的な遊び心、美しさを感じる心に、年齢は関係ないのですね。ユニバーサル・デザインの根源的な哲学をネフ社の積み木に見る人は多いのではないでしょうか。

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