安藤 良治
ITスキル研究フォーラム 人財育成コンサルタントPSマネジメントコンサルティング 代表

 OJL(On the Job Learning)を導入することで、社員が主体的に学ぶ文化を醸成でき、その指導者は「人を育てる」経験の中から、他者に「良い影響を与える」リーダーとしての素養を養うことが可能になります。このコラムでは、指導者の観点から「OJLの定着と実践」についてシリーズで展開しています。

 今回のテーマは「指導内容の計画――教案設計」です。教案設計というと、正に教師の仕事のような響きがあり、現場の指導者には距離があるテーマのように感じるかも知れません。しかし、人を育てるというミッションを持った以上、無手勝流に思いを伝えるのではなく、筋道を持った「指導計画」が必要です。
・学習者は誰で、どんな素養を持ち、どんなことに興味・関心を示すか?
・何を学ばせるのか?
・何故その学習をさせるのか?
・どうやって理解・学習・気づきをさせるのか?
このような問いかけが指導計画(教案設計)のベースとなります。

 今回は、教案設計の中でも「目的・目標を明確にする」「学習者のモデルを明確にする」に焦点を絞って展開します。

目的・目標を明確にする

 「何を学ばせるのか?」、「何故その学習をさせるのか?」
日々の仕事に忙しい指導者は、学習対象者の取り組むべき仕事を提示する際、その仕事の目的や背景の説明を疎かにして、「やり方」のみを説明していることが往往にしてあります。

 目的を知らされずにやり方(手段)だけを伝えられた仕事。そんな仕事を与えられた時、その人は自分の仕事を他者に何と説明できるのでしょう?