STEP3: Q&A

 多くの講演会やセミナーはQ&Aで終了します。しかしブレイクスルーでは、Q&Aで終了するのはNGパターンである、とお伝えしています。なぜでしょうか?

 前述のリーセンシー効果を思い出してください。伝えるべきメッセージが、一番後にインパクトを与えるメッセージでないといけないからです。Q&Aの時間を設けるのは大いに結構ですが、そこで終わってしまわないことです。優れたスピーチのクロージングには、あともう1ステップ残っています。

STEP4: Lasting Anchor-碇(いかり)を下ろす

 クロージングに入るというシグナルを出し、話した内容の重要ポイントにコールバックし、Q&Aの時間を設けたら、持続する印象づくりが最後のプロセスです。最大限インパクトを与え、心に定着させるために、「碇」を下ろすようなイメージです。

 そのためには、短いファイナルストーリーを語ることが効果的ですが、スピーチの全体でもストーリーを語っていたことでしょう。したがって、クロージングに持ってくるファイナルストーリーは、無駄を徹底的にそぎ落とし、簡単・簡潔・簡明でなければいけません。さらに、最後にもう一つのストーリーを聞いてもらうには、ファイナルストーリーを語る前に、簡単なTeasingをするのが効果的です。例えば、

 「今日は4つのRについてお話ししました。○、○、○、○です。しかし実は最後にもう一つ、とても重要なRが残っているのです」

 というようなイメージです。このようにTeasingをすることで、聞き手は次に発せられるメッセージに注目し、最後の最後まで興味を持続させることができるのです。

リップシャッツ 信元 夏代(りっぷしゃっつ・のぶもと・なつよ)

アスパイア・インテリジェンス社 代表取締役
ブレイクスルー・スピーキング代表

リップシャッツ 信元 夏代

アスパイア・インテリジェンス代表
ブレイクスルー・スピーキング代表
 早稲田大学商学部卒。ゼミ専攻は「異文化コミュニケーションとビジネス」。NYUにてMBA取得。1995年に渡米後、伊藤忠インターナショナルにて鉄鋼、紙パルプ業界の営業・事業開発に携わる。その後マッキンゼーにて消費財マーケティング・事業プロセス改革などの業務に携わった後、2004年に、事業戦略コンサルティング会社のアスパイア・インテリジェンス社を設立。
 TEDxTalk スピーカー。2013年、2014年春季トーストマスターズインターナショナルの国際スピーチコンテストでは、日本人初の地区大会優勝2連覇を果たしている。この経験を受け、2014年9月にブレイクスルー・スピーキングを設立。グローバルに活躍したい日本人のためのグローバルパブリックスピーキングのE-learningプログラムを中心に、個人コーチングセッション、企業内研修等も行う。
BREAKTHROUGH Speaking: http://www.btspeaking.com
ASPIRE Intelligence: http://www.aspireintelligence.com

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。