パブリックスピーキングは習得しうる “スキル”

 海外で通用するパブリックスピーキング、というと、英語を勉強しなければ!と考える人が多いものです。しかし、ノンネイティブである私たちにとって、ネイティブと対等に話せる英語力を養うのは至難の業。一方でパブリックスピーキングは、習得しうる“スキル”です。

 パブリックスピーキングの極意は、聞いている相手がたった一人の営業相手でも、何百人の聴衆でも、彼らの心を捉えて放さず、心を大きく動かす、ということです。実はそこに言語力はあまり必要ではありません。どの言語を使う場合でも、パブリックスピーキングのスキルの上達にフォーカスすることで、今あなたが持っている言語力のままで、異文化の人相手でも、格段に伝わりやすいスピーチを実現することができるのです。それこそが、グローバル・パブリックスピーキングです。

 本コラムでは、グローバル・パブリックスピーキングのコツをご紹介していきます。

 このコラムで何度か、7秒ー30秒ルールのお話しをしてきました。

 スピーチをする際、最初の印象が全体の印象を決める、というものです。始めの7秒で話し手の印象が決まり、30秒で、話の内容が聞くに値するかどうか判断されるのです。それだけのインパクトがあるオープニングは、綿密に戦略的に作りこむ必要があるわけですが、クロージングはどうでしょうか。「始め良ければ終わり良し」ともいわれますが、スピーチにおいては当てはまりません。

 「リーセンシー効果」をご存じでしょうか。普段は広告に関して使われるコンセプトで、「直前に接触した広告が購買行動に影響を与える効果」のことをいいます。つまり、人は、最後・最近に聞いたことが、もっとも印象や記憶に残る、ということです。これがスピーチにも当てはまるのです。

 つまり、スピーチのクロージングで、いかに明確なメッセージを投げかけ、印象に残すかが非常に大切ということです。

 今回は、スピーチが終わった後も、「あのスピーチは心に残っているな」と好印象を持続させるための、クロージングの4つのステップについて解説します。

STEP1: シグナル

 クロージングに入る前に、「もうすぐ終わりが近づいている(だから大切なメッセージが続きますよ。注目してください!)」、というシグナルを送ります。ただし、「In Closing」、「最後に」、などのありきたりなシグナルでは面白くありません。もう少しクリエイティブに興味を引きましょう。

 例えば、「Let’s wrap things up」、「As we come to the end of the road」、「I’m leaving you with this」、「本日の内容を振り返ってみましょう」、「皆さんとの時間も終わりに近づいていますが」などです。

STEP2: コールバック

 スピーチの中で話したポイントを簡潔に要約します。重要なポイントがいくつかある場合には、「3つのA」、「SMARTゴール」、など、頭文字などを使って覚えやすく表現することも一つのコツです。

 もしインターアクティブな場なら、このポイントを、聞き手に言わせるように仕向けてみるのも効果的です。