8. ネクストステップがいくつもある

 スピーチの終わりに、聞き手に実行してもらいたいネクストステップを提示する場合、あなたはいくつのネクストステップを並べているでしょうか? 例えば、「詳しい情報は弊社のウェブサイトをご覧ください」「また、お手元に資料をお配りしているのでこちらもお目通しください」「2時からはブースでデモをやりますのぜひお越しください」「さらに○月○日には体験イベントをやりますのでそちらもお越しください」……などなど、伝えたいことはたくさんあります。しかしこれはNGです。

 話し手は「オプションを与えている」と考えがちですが、聞き手にとっては「やるべきこと」がいくつも提示されると、混乱したり面倒になったり忘れてしまったりして、「どれもやらない」と言う結果を導きます。ネクストステップは、「1つ」に絞り込みましょう。

9. “ケーススタディー”型スピーチ

 事実だけを伝えるのではなく、ストーリーとして情緒コネクションを高めましょう。これは何も、お涙頂戴ストーリーを作れというのではなく、その“ケース”の背景、関わった人々、その人々が経験した苦労やチャレンジ、どのように乗り越えて行ったのか、どんな変化や学びがあったのかなど、ストーリーの“9つのC”(詳しくはブレイクスルーのウェビナーや動画コンテンツをご参照ください。http://www.btspeaking.com)といった要素を組み込んでいくことで、単なる事実から、心がつながるストーリーに変化していきます。

10. “一方的”ストーリー

 とはいえ、ストーリーを一方的に伝えれば良い訳ではありません。ストーリーとは、「伝える」ものではなく、「そこへ連れて行く」ものなのです。そのストーリーが起こった当時の場面に、聞き手を引き込んでいくのです。そのためには、登場人物のセリフや表情、反応、その場の情景描写などを語り、聞き手がその場面を想像できるようにしましょう。それが、聞き手と話し手がコネクトするストーリーテリングです。

リップシャッツ 信元 夏代(りっぷしゃっつ・のぶもと・なつよ)

アスパイア・インテリジェンス社 代表取締役
ブレイクスルー・スピーキング代表

リップシャッツ 信元 夏代

アスパイア・インテリジェンス代表
ブレイクスルー・スピーキング代表
 早稲田大学商学部卒。ゼミ専攻は「異文化コミュニケーションとビジネス」。NYUにてMBA取得。1995年に渡米後、伊藤忠インターナショナルにて鉄鋼、紙パルプ業界の営業・事業開発に携わる。その後マッキンゼーにて消費財マーケティング・事業プロセス改革などの業務に携わった後、2004年に、事業戦略コンサルティング会社のアスパイア・インテリジェンス社を設立。
 TEDxTalk スピーカー。2013年、2014年春季トーストマスターズインターナショナルの国際スピーチコンテストでは、日本人初の地区大会優勝2連覇を果たしている。この経験を受け、2014年9月にブレイクスルー・スピーキングを設立。グローバルに活躍したい日本人のためのグローバルパブリックスピーキングのE-learningプログラムを中心に、個人コーチングセッション、企業内研修等も行う。
BREAKTHROUGH Speaking: http://www.btspeaking.com
ASPIRE Intelligence: http://www.aspireintelligence.com

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。