パブリックスピーキングは習得しうる “スキル”

 海外で通用するパブリックスピーキング、というと、英語を勉強しなければ!と考える人が多いものです。しかし、ノンネイティブである私たちにとって、ネイティブと対等に話せる英語力を養うのは至難の業。一方でパブリックスピーキングは、習得しうる“スキル”です。

 パブリックスピーキングの極意は、聞いている相手がたった一人の営業相手でも、何百人の聴衆でも、彼らの心を捉えて離さず、心を大きく動かす、ということです。実はそこに言語力はあまり必要ではありません。どの言語を使う場合でも、パブリックスピーキングのスキルの上達にフォーカスすることで、今あなたが持っている言語力のままで、異文化の人相手でも、格段に伝わりやすいスピーチを実現することができるのです。それこそが、グローバル・パブリックスピーキングです。

 本コラムでは、グローバル・パブリックスピーキングのコツをご紹介していきます。

 今あなたが、大切な人に電話をかけて大切なメッセージを伝えようとしている、と想像してください。ところが回線が不安定で電話が切れてしまい、何度もかけ直さなければいけなかったとしたらどうでしょう。

 スピーチに置き換えてみましょう。世界一素晴らしい話の内容だったとしても、聞き手と心をつなぐこと(=コネクト)ができなければ、すべて台無しになってしまいます。でも、ちょっとしたコツを知り、ちょっと手直しするだけで、コネクションはぐんと深まります。

 今回は、話し手が聞き手とコネクトできない原因とそれを回避する10のコツをご紹介します。

1. “オレ様”スピーチ

 話し手は、自分の成功話を語りたいものです。しかし聞き手はどうでしょうか。もちろん成功の秘訣を聞きたいでしょうが、もし話し手が、自分の素晴らしい業績やスキル、経験ばかりにフォーカスした話をしてしまったらどうでしょう。聞き手はきっとこう感じるはずです。

 「あの人は特別だから……。すごいから……(自分には無理)」

 「話し手は雲の上の特別な存在なのだ」と感じてしまうと、聞き手の心は離れてしまいます。聞き手とコネクトするためには、成功話の前に、まず、自分の失敗談や苦悩、欠点、初めての体験などを話し、「自分自身も聞き手と同じような経験を経てきた」ことを感じさせるように心掛けましょう。

2. “原稿丸読み“スピーチ

 なぜわざわざ、そこに人を集めてきて話をするのでしょうか。それはなんらかの心のつながりが大切だからです。原稿を読むだけなら誰にでもできます。さらに言うなら、印刷して配布すればいいだけの話です。原稿を丸読みするようなスピーチでは、聞き手は「時間の無駄」と感じてしまうことでしょう。話し手の「心」や「感情」、「情熱」がそこになければ、聞き手とのコネクション作りはあり得ません。原稿ばかりに頼らず、自分の言葉で、心をこめて、情緒的コネクションを大切にしてください。