リップシャッツ 信元 夏代
アスパイア・インテリジェンス社 代表取締役
ブレイクスルー・スピーキング代表

パブリック・スピーキングは習得しうる “スキル”

 海外で通用するパブリックスピーキング、というと、英語を勉強しなければ!と考える人が多いものです。しかし、ノンネイティブである私たちにとって、ネイティブと対等に話せる英語力を養うのは至難の業。一方でパブリックスピーキングは、習得しうる“スキル”です。

 パブリックスピーキングの極意は、聞いている相手がたった一人の営業相手でも、何百人の聴衆でも、彼らの心を捉えて離さず、心を大きく動かす、ということです。実はそこに言語力はあまり必要ではありません。どの言語を使う場合でも、パブリックスピーキングのスキルの上達にフォーカスすることで、今あなたが持っている言語力のままで、異文化の人相手でも、格段に伝わりやすいスピーチを実現することができるのです。それこそが、グローバル・パブリックスピーキングです。

 本コラムでは、グローバル・パブリックスピーキングのコツをご紹介していきます。

効果的なリハーサルをしていますか?

 どんなスピーチであれ、リハーサルが欠かせないことはいうまでもありません。筆者は競技ダンスの選手もしていますが、コーチからよく言われるのは、「本番では、よくても練習の80%くらいにクオリティーが落ちるもの。だから常に本番さながらに練習していないといけない」ということです。スピーチも同様です。しかし、本気度を高めて練習するだけでよいかというとそうでもありません。みなさんは、「正しい」リハーサルを行っているでしょうか?

 今回は、リハーサルによく見られる5つの間違いをご紹介します。

●NGリハーサル#1: 鏡の前で練習する

 実はこれ、筆者もつい最近までやっていたことです。自分の表情やボディーランゲージなどを確認しながらリハーサルをしていたのですが、筆者が日本人として唯一認定を受けているWorld Class Speakingスピーチコーチ認定プログラムの大師匠から「それはまさに間違いナンバーワンだ」と指摘を受けてしまいました。

 なぜかというと、本番では自分の姿を見ながら話すことなんて決してありえないからです。観客を見て話しをするのです。本番さながらに練習するためには、鏡に映った自分ではなく、聴衆を想像しながらすべきなのです。また、スピーチというのは、自分自身ではなく、聞き手中心の視点が大切なのです。ですから、鏡に映った自分ではなく、聞き手を想像しながら練習をしましょう。もし表情やボディーランゲージを確認したければ、ビデオに撮影し、それを後でレビューするのがよいでしょう。

●NGリハーサル#2: 自然発生的な場面を想定しない

 スピーチをする際、必ず聞き手からなんらかの反応が返ってきます。笑いだったりうなずきだったり、あるいは疑いの表情であったり。このような聞き手の反応は、双方向コミュニケーションをして彼らとコネクトする最大のチャンスです! しかしリハーサルの際、それを全く考慮せずに、最初から最後まで通して練習をしていると、せっかく沸き起こった反応を素通りし、練習どおりにそのまま次に進もうとしてしまったら、せっかくのコネクトするチャンスを失ってしまいます。リハーサルの時から、聞き手の自然発生的な反応を想定しながら、間をおいたり、架空の反応に反応してみたりする練習を加えてみるとよいでしょう。