パブリックスピーキングは習得しうる “スキル”

 海外で通用するパブリックスピーキング、というと、英語を勉強しなければ!と考える人が多いものです。しかし、ノンネイティブである私たちにとって、ネイティブと対等に話せる英語力を養うのは至難の業。一方でパブリックスピーキングは、習得しうる“スキル”です。

 パブリックスピーキングの極意は、聞いている相手がたった一人の営業相手でも、何百人の聴衆でも、彼らの心を捉えて放さず、心を大きく動かす、ということです。実はそこに言語力はあまり必要ではありません。どの言語を使う場合でも、パブリックスピーキングのスキルの上達にフォーカスすることで、今あなたが持っている言語力のままで、異文化の人相手でも、格段に伝わりやすいスピーチを実現することができるのです。それこそが、グローバル・パブリックスピーキングです。

 本コラムでは、グローバル・パブリックスピーキングのコツをご紹介していきます。

シリコンバレー発祥、戦略的トーク術はエレベーターの中で鍛える!

 「エレベーターピッチ」をご存じですか?

 アメリカのビジネスパーソンなら誰もが知る「エレベーターピッチ」とは、エレベーターで、交渉や営業先の相手にばったりと遭遇した時に、相手がエレベーターを降りるまでの間に確実に口説き落とすため即座に行う、超短時間スピーチのことです。皆さんがそのような場面に遭遇したら、即座に「エレベーターピッチング」を行う自信はありますか……?

 もともとは、シリコンバレーで、スタートアップが投資家にプレゼンする際に使われたスキルが発祥で、1分間で事業の説明ができなければ投資を受けることができない、といわれています。しかしながら、営業時、交渉時はもちろんのこと、ミーティングでの発言、展示会などでの営業トーク、就職活動時の自己PRなども、いわば「エレベーターピッチ」のようなものです。たった数分のうちに納得と共感を引き出す、戦略的トーク術が、「エレベーターピッチ」なのです。

簡潔・簡明・簡略なエレベーターピッチは、普段の会議でも使うべし!

 例えば、忙しい上司に対して何か提案をしたい時。プロジェクトミーティングで、問題点やソリューション案を伝えたい時。通常ミーティングで、先週の成果を端的にアピールしたい時。エレベーターピッチは、普段でも使えるシチュエーションが多々あります。

 想像してみてください。

 自分が忙しい時に、グダグダと話が長く、論点も見えないような話し方をする人がいますよね? 「だから何が言いたいの?」とイライラしてしまいませんか?

 また、その人に対して、「この人は仕事ができない人間だ」「面倒くさい人間だ」という印象も持ってしまうことでしょう。

 常日頃から、エレベーターピッチ手法でコミュニケーションを取っていくことは、最短の時間で最大の効果を上げるため、プレゼンの成功のみならず、仕事効率や生産性も上がるのです。

 しかし、短く簡潔に伝えるだけでは、人の心を動かすことはできません。聞き手視点で、聞き手の感性に響く内容とストーリーを組み立ててこそ、相手に伝わるエレベーターピッチができるのです。

 それは「訓練により必ず習得しうるスキル」です。

 人が説得されるためのメカニズムを知り、そしてあらゆる場面に汎用性がある、「PREP」などの万能な「型」を使って訓練を繰り返せば、エレベーターピッチの上達も瞬く間です。

信元 夏代のセミナー:
Breakthrough Speaking「白熱教室」
2018年5月26日(土)
インターアクティブなレクチャーや討議、演習、丁寧な個別フィードバックを交えて進められるエレベーターピッチ術の特別ワークショップ。

リップシャッツ 信元 夏代(りっぷしゃっつ・のぶもと・なつよ)

アスパイア・インテリジェンス社 代表取締役
ブレイクスルー・スピーキング代表

リップシャッツ 信元 夏代  早稲田大学商学部卒。ゼミ専攻は「異文化コミュニケーションとビジネス」。NYUにてMBA取得。1995年に渡米後、伊藤忠インターナショナルにて鉄鋼、紙パルプ業界の営業・事業開発に携わる。その後マッキンゼーにて消費財マーケティング・事業プロセス改革などの業務に携わった後、2004年に、事業戦略コンサルティング会社のアスパイア・インテリジェンス社を設立。
 TEDxTalk スピーカー。2013年、2014年春季トーストマスターズインターナショナルの国際スピーチコンテストでは、日本人初の地区大会優勝2連覇を果たしている。この経験を受け、2014年9月にブレイクスルー・スピーキングを設立。グローバルに活躍したい日本人のためのグローバルパブリックスピーキングのE-learningプログラムを中心に、個人コーチングセッション、企業内研修等も行う。
BREAKTHROUGH Speaking: http://www.btspeaking.com
ASPIRE Intelligence: http://www.aspireintelligence.com

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。