パブリックスピーキングは習得しうる “スキル”

 海外で通用するパブリックスピーキング、というと、英語を勉強しなければ!と考える人が多いものです。しかし、ノンネイティブである私たちにとって、ネイティブと対等に話せる英語力を養うのは至難の業。一方でパブリックスピーキングは、習得しうる“スキル”です。

 パブリックスピーキングの極意は、聞いている相手がたった一人の営業相手でも、何百人の聴衆でも、彼らの心を捉えて放さず、心を大きく動かす、ということです。実はそこに言語力はあまり必要ではありません。どの言語を使う場合でも、パブリックスピーキングのスキルの上達にフォーカスすることで、今あなたが持っている言語力のままで、異文化の人相手でも、格段に伝わりやすいスピーチを実現することができるのです。それこそが、グローバル・パブリックスピーキングです。

 本コラムでは、グローバル・パブリックスピーキングのコツをご紹介していきます。

 2月は、冬季オリンピック、そして、アメリカ最大のスポーツイベント、スーパーボウルがあり、スポーツ観戦ざんまいの1カ月でした。

 スポーツにつきものなのが、インタビュー。今回は、スーパーボウルで印象に残ったスピーチについてお話ししたいと思います。

優勝に導いた、「バックアップ」リーダー

 それは、スーパーボウルで初勝利となった、フィラデルフィア・イーグルスのクオーターバック、Nick Folesのスピーチです。

 実は本来のクオーターバックであるCarson Wentzが、負傷のため残りのシーズンが休場となってしまい、「バックアップ」のクオーターバックであったNick Folesが、仮リーダー役を務めていました。

 「バックアップ」クオーターバックなのでスーパーボウルまでいくことすら無理だろう、といわれていたのが、Nick Folesは最初から最後まで冷静沈着、かつ素晴らしいリーダーシップにより、どんどん勝ち進み、最終的には、強敵であり、フットボール界の大スター、クオーターバックのTom Bradyが率いるニューイングランド・ペイトリオッツを打ち負かし、「負け犬」と呼ばれていたイーグルスを、スーパーボウル・チャンピオンにまで導いたのです。

 その功績がたたえられ、Nick Folesは今シーズのMVPに輝きました。その記者会見で、とある記者がこう尋ねました。

 「You have a unique journey here. What would you like people to take from your journey from the last few years and be inspired by ?」
(あなたのジャーニーはユニークなものです。あなたの過去数年間のジャーニーから人々が学べること、何かインスパイアされることはなんでしょうか?)

「私はスーパーマンではない」

 それに対するNick Folesのスピーチがとても素晴らしいものでした。必ずしも、スピーカーとしての力量が素晴らしい、ということではありません。メッセージの内容を見てみてください:

 「I think the big thing is, don’t be afraid to fail. Failure is part of life. That’s part of building character and growing. Without failure, who would you be? I wouldn’t be up here if I hadn’t fallen thousands of times, made mistakes. We are all human. We all have weaknesses. Share that and be transparent. I know when listen to people speak and they share their weaknesses, I’m listening. Because I can resonate. So I’m not perfect. I’m not Superman. Might have won the Super Bowl, but I still have daily struggles. When you have struggles, that’s just an opportunity for your character to grow. So if something is going on in your life, embrace the struggle. Because you are growing. 」