アプローチ

 とはいえ、「私は人材開発に関してのプロですから、教え方に関しては私の言うとおりにやってください」などという上から目線のアプローチでは、うまくいくはずがありません。

 交渉術やアサーティブなコミュニケーションスキルを使って、共通の目的を確認、お互いのメリットを確認、役割分担の合意、ということを行っていく必要があります。

●せっかく時間を割いていただくので、効果的な研修にしたい
●◯◯さんが社内研修で成功することのお手伝いがしたい
●参加者には◯◯さんから多くを吸収してもらって、
 ビジネスにもっと貢献してもらえるようにしたい
●そのために私に貢献できることは、研修のデザインや
 ファシリテーションについてのアイデアを出すことである
●人材開発を専門としているので、これまでの経験から、
 ◯◯さんに共有したい

というようなことをうまく交渉するイメージです。

 デザインやファシリテーションについて、社内講師の方に「講師養成講座」などで学んでいただく機会が提供できればベストです。しかし、それが難しい場合には、簡単に取り入れられるテクニックなどをアドバイスするのもよいでしょう。具体的な手法については、この連載で過去に紹介した以下の内容をご参照ください。

■第31回 社内講師に役立つ研修デザインの3つのポイント

■第35回 簡単にできる、一方的な講義から脱却する方法

 「社内講師」をうまく味方につけて、組織力の強化にもっと貢献できる人材開発担当者として、皆さまがさらなるご活躍をなさいますように!

参考書籍:
講師養成講座で活躍する著者 中村 文子氏が、講師のスキルアップのためのノウハウをまとめた本
講師・インストラクターハンドブック
中村 文子、ボブ・パイク 著 / 日本能率協会マネジメントセンター

中村 文子(なかむら・あやこ) ダイナミックヒューマンキャピタル株式会社 代表取締役
中村 文子

 大阪府出身、神戸市外国語大学 外国語学部 英米学科 卒業。マイクロソフト株式会社名古屋営業所 勤務を経て、P&Gジャパン、ヒルトン東京ベイにて人材育成・組織開発に従事。2005年より現職。2006年にASTDのカンファレンスで人材育成の世界的権威、ボブ・パイク氏のセッションに初参加、大きな衝撃を受ける。トレーナー認定のプロセスを経て、2007年秋、日本人初のトレーナーとして認定される。専門分野は、トレーナー養成、ホスピタリティ、管理職研修、ビジネスコミュニケーションスキル研修など。ホテル業界、製薬会社、電機メーカーなどの業界で、活動中。早稲田大学エクステンションセンター、日経ビジネススクール、日本能率協会にて、講師実績あり。
●ダイナミックヒューマンキャピタル
http://www.d-hc.com/
https://www.facebook.com/DynamicHumanCapital/
●中村文子ブログ
http://www.d-hc.com/blog

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。