一見、難しそうに見えるこの人材開発担当者と社内講師の関係ですが、Win/Winの関係を作り、共通のゴールに向けて協力体制を作っていくこともできるのではないでしょうか。

共通のゴール

 共通のゴールは、「社内研修を効果的に行うこと」です。おそらくここはお互い異論はないでしょう。

 それによって人材開発担当者が得られるメリットは、次の2点が挙げられます。

●社内の人材育成に効果がある
●研修に参加した人が学びを実践することでビジネスに貢献して
 もらえる

 では、社内講師をする人にとってはどのようなメリットがあるでしょうか。忙しいのに本業以外のことに時間を費やしているわりに、参加者は退屈そうにしていてあまりよい反応が得られず、習得度も低いようでは、せっかくの労力が報われません。

 社内講師として成功することで、以下のようなメリットがあるのではないでしょうか。

●人材育成の能力が高まる
●その分野においてたけていると広く社内に認知され、信頼される
●社内に人脈が広がる

 まだまだ他にもあるかもしれません。義務として仕方なく登壇するというのではなく、このようなメリットを得るためには、「効果的な研修にしたい」という点で合意できたら、Win/Winの関係構築の大きな第一歩です。

お互いの役割

 次に、そのゴールに向けてのお互いの役割の確認です。

 社内講師は、担当する研修の内容についてはプロです。それが社内講師の専門分野であれば、人材開発担当者は社内講師に任せることになるのは当然のことです。ビジネススキルを教えている社内講師であれば、内容は人材開発担当者の方で準備することも多いかと思いますが、「一般的な内容」に豊富な経験や事例を加えて、社内講師だからこそ話せる内容に仕上げるのは、その講師の役割です。

 では、人材開発担当者の役割はなんでしょうか。人材開発担当者は、人材開発に関してのプロです。そのなかの一つの分野として、研修を企画、デザイン、運営していく役割を担っているわけです。決していわゆる「事務局」として単にコーディネートするだけの役割ではなく、どうデザインし、どうファシリテーションすれば研修が効果的になるかについては、社内においてプロでなくてはならないでしょう。

 この異なる分野のプロ同士がコラボレーションすることで、より大きな効果が生まれるのです。