2.「発言を無理強いすることなく、発言が少ない人にも学びやすい環境をつくる」
●個人でリフレクションを行う時間を設ける
 時折そういう時間を設けることで、整理ができたり、考えを深めたりすることができます。誰も何も発言せずに、静かな時間を設けるのは、講師・運営側から見ると違和感があるかもしれませんが、参加者にとっては大変貴重で有意義な時間なのです。

●発言する順番を指定しない
 全体発表やグループ内のディスカッションの際、発言の順を講師が指定するのではなく、参加者に任せてみましょう。問いかけられたらすぐに発言して、話しながら考えたい人もいれば、じっくり考え、ほかの人の発言を聞いたうえで自分が発言する方が心地良い人もいるでしょう。講師が順序を指定するのではなく、おのおのにとって良いタイミングで発言してもらいましょう。

●人数を変える、相手を変える
 グループディスカッションのメンバーや人数を固定せず、変化をつけることで偏りを少なくします。ペアだと一人ひとりが話す時間が長くなり、深い話がしやすくなります。ですが、ずっとペアだと、話すことへの負担が大きくなりますので、3~4名、5~6名で話す機会も設けることで、ほかの人の発言を聞いて考える時間をつくります。また、相手が固定されていると、話が発展しにくくなったり、やりにくい相手と組んでしまったりした時の悪影響が大きくなってしまいますので、メンバーを固定せず、いろいろな人と話す機会を設けます。

 次回の研修で、「今日の参加者は静かですね。大丈夫そうですか?」「今日はどのチームも活発に議論が進んでいるようで良かったです」という発言を聞く機会があったら、まずは上記のような説明をなさってみてください。そのうえでご紹介したテクニックを使い、どんな学び方の人にも効果的、かつ学びやすい環境をつくる一助になれば幸いです。

参考書籍:
講師養成講座で活躍する著者 中村 文子氏が、講師のスキルアップのためのノウハウをまとめた本
講師・インストラクターハンドブック
中村 文子、ボブ・パイク 著 / 日本能率協会マネジメントセンター

中村 文子(なかむら・あやこ) ダイナミックヒューマンキャピタル株式会社 代表取締役
中村 文子

 大阪府出身、神戸市外国語大学 外国語学部 英米学科 卒業。マイクロソフト株式会社名古屋営業所 勤務を経て、P&Gジャパン、ヒルトン東京ベイにて人材育成・組織開発に従事。2005年より現職。2006年にASTDのカンファレンスで人材育成の世界的権威、ボブ・パイク氏のセッションに初参加、大きな衝撃を受ける。トレーナー認定のプロセスを経て、2007年秋、日本人初のトレーナーとして認定される。専門分野は、トレーナー養成、ホスピタリティ、管理職研修、ビジネスコミュニケーションスキル研修など。ホテル業界、製薬会社、電機メーカーなどの業界で、活動中。早稲田大学エクステンションセンター、日経ビジネススクール、日本能率協会にて、講師実績あり。
●ダイナミックヒューマンキャピタル
http://www.d-hc.com/
https://www.facebook.com/DynamicHumanCapital/
●中村文子ブログ
http://www.d-hc.com/blog

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。